夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

昇龍図 長山孔寅筆 その2

2013-09-30 05:10:23 | 掛け軸
秋田県出身の画家である長山孔寅の本ブログの二作品目の登場です。

一作品目は下記の作品です。

富士図 長山孔寅筆絹本水墨軸装 軸先木 合箱
全体サイズ:縦1280*横700 画サイズ:縦418*横640

秋田県出身、若しくはゆかりの深い画家を整理してみると

日本画家:小野田直武、佐竹曙山、佐竹義和、菅原真澄、長山孔寅、平福文浪・平福穂庵・平福百穂、蓑虫山人、寺崎廣業、倉田松涛福田豊四郎、勝平得之、伊藤弥太、舘岡栗山

洋画家:伊勢正義、藤田嗣治、一木

などがおり、かなり画家の多い県であることがわかります。

本日の画家は、江戸期に秋田から江戸に出て、松村呉春(月渓)に師事し、名を成した画家です。



昇龍図 長山孔寅筆 その2
絹本水墨淡彩軸装 軸先陶製 合箱
全体サイズ:縦1800*横375 画サイズ:縦905*横237




箱には「字子亮号紅園 呉春門下 嘉永二年没 八十五歳」とあります。



印章はもっとも一般的な印章のようで、多くの作品に押印されています。



登龍図、昇龍図とも称され、勢いよく世に出るさまを現し、出世などの吉祥図としてよく描かれます。


江戸期において盛んにこの図柄が描かれ、近世までその流れは続きました。士官や商売繁盛などその世相を反映してのことかと思われます。魔除けの意味合いより、その意向が強くなったのは不景気や就職難があったことと関係しているのでしょう。



家内曰く「あまり出来が良くないわよね。」だと・・。貫禄と勢いがないとのこと




家内はだんだん私より掛け軸の評価が厳しくなってきたようですが、的は得ているようです。



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