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家内がお茶の稽古から帰宅した日の夕食後に家でお茶会。
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息子がお茶をたててくれました。思いの外、美味しかったですようです・・・。
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さて本日の作品紹介です。
西山英雄は実力がある画家のようですが、知名度からは現在はそれほど高い評価を受けている画家ではないように思われます。ただフォービスムを思わせる力強い作風は人の心を惹きつけます。本日紹介するのは色紙の作品ですが、その片鱗が窺い知れる作品だと思います。
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柿 西山英雄筆 その3
紙本水墨着色 色紙 保存共箱
保存箱サイズ:縦302*横270*高さ33 画サイズ:縦271*横240
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西山英雄の画歴は下記のとおりです。本ブログで数点の作品を紹介していますが、文化勲章を叙勲している西山翠嶂は叔父にあたります。
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西山英雄:明治44年5月7日生まれ。西山翠嶂に師事、青甲社にはいる。
昭和9年「港」が帝展特選。33年日展で「裏磐梯(ばんだい)」が文部大臣賞、36年「天壇」が芸術院賞。山岳画家として知られる。55年芸術院会員。
平成元年1月21日死去。77歳。京都出身。京都市立絵画専門学校(現京都市立芸大)卒。
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幼少の頃から画家として活躍していた叔父の家に住み込んで絵画の技術に研磨をかけて花鳥風月の基礎をしっかりと京都画壇で学んでいましたが、梅原龍三郎の持つ筆遣いに憧れていたこともあり、力強く鮮やかで豪快なタッチで作品を描き続けています。
本格的に活動を始めるために、画塾・青甲社に入塾し、その後は京都私立絵画専門学校に入学し、その才能を高めて行く努力を続けて行きます。叔父譲りの高い技術を持っていた西山英雄は、在学中にもかかわらず第15回帝展に出品、そして特選を獲得するなど、その類い稀なる才能で周囲を驚かせてます。
1958年に青甲社を主宰していた叔父が亡くなり、塾生から引き継ぎをお願いされますが、自らの意志で退塾し、日展に所属をおさめ力強い自由な作風で山などの自然を描き始めます。
西山英雄の代表作の山岳画は実に大胆でおおらかな作品となっています。力強く、思わずフォービスムを思わせるような作品は、雄大な富士など描くとさらに大きく見せているような、雄々しい作品となっています。
若いころから才能ある人物として扱われ、周囲に常に期待される存在であったにも関わらず、自身は自惚れることは無く、しっかりと自らの芸術作品を純粋に志すその姿は若い芸術家の見本となったようです。
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本作品には色紙用の共箱になっている保管箱が付いています。
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作品中と共箱の落款と印章は下記のとおりです。箱の印章は以前に紹介した「白日」という作品の共箱に押印された印章と同一の印章です。
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他に幾人かの「英雄」という署名の画家がいて、たとえば「谷口英雄」という画家がいますので、にわか知識では同一人の作品と勘違いされる方がいますね。
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ところで色紙用の額は古いものの方がいいものがあるようです。この額も金糸を使ったマット、裏面は皮紐の釣り部分、和紙の裏打ちなど現代では手間をかけない部分にいいものが使われています。
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額の材質もいいですね。額縁屋さんで選ぶのもいいですが、意外に種類やいいものが少なく、フリーマーケットやインターネットオークションで根気よく探すといい額があります。リサイクルですね。
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共箱の木製の箱もいいですね。今はこのような手間のかけたものがありません。
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一流どころの一流の誂え・・。