夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

朝光 藤井達吉筆 その7 改装

2013-05-23 08:00:35 | 掛け軸
昨日深夜にバンコク、ジャカルタ、シンガポールの客先訪問と現地や工場視察を終えて帰国しました。海外で行き詰っているビジネスモデルの原因はほぼ理解できましたが、撤退も視野に入れて今後どうするかを判断しなくてはいけません。独立採算性の強い顧客の志向はグループ経営よりコストパフォーマンスに傾倒するのは国内外問わず同じです。顧客と親交を深める以外は収益構造をどうするかの議論が続いた出張でした。

さて本日は生まれ変わった掛け軸です。海外ビジネスも生まれ変わる必要があります。

汚れと折れがあり、表具もあまり良いものではなかったので、改装を依頼していた作品が出来上がってきました。  

本作品の落款は「空庵」と思われます。同様な作品が思文閣発刊墨蹟資料目録「和の美」第458号に「山雲図」(MO72)として掲載されていますし、第455号には「朝光」(NO80)として掲載されています。

「朝光」とほぼ同様な作品ということから題名は「朝光」としました。朝日を金泥でほのかに表現したものと思われます。このように屹立する山の風景は達吉がよく描いたモチーフですが、実際の風景というより、心象風景ということでしょう。墨や金彩に滲みの味の深さなど達吉の創造性の深さが窺い知れる逸品といえます。         

朝光 藤井達吉筆
和紙水墨金彩軸装 軸先木製 二重箱 
全体サイズ:縦1270*横390 画サイズ:縦640*横250




改装する前と比較すると




画自体を比較すると



折れや汚れがほとんどなく、表装もよく茶掛に出来そうです。



参考作品
山雲図
思文閣墨蹟資料目録 和の美 題458号 作品NO72



参考作品
朝光
思文閣墨蹟資料目録 和の美 題455号 作品NO8



いいものは改装してでも後世に伝えることが必要です。仕事も同じです。常に時代にあうよう変えていき後世に伝えることが必要です。


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