夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

立雛之繪 土佐光孚筆 再登場 改装完了

2013-05-24 05:54:46 | 掛け軸
昨夜は赤坂で大先輩二人の退職祝いと帰国祝い・・、女性が多い会食でした。本ブログの話題となり、どうも文章も含めて難しいという評価のようです。当方としても致し方なし・・、これ以上は平易には書けませんが、努力はしてみましょう

さて帰国後慌しいのですが、本日は早朝から仙台です。

本日の作品もリフォームした作品です。

骨董の整理中には痛みがひどいために改装する必要のある作品が出てまいります。軸類ではシミ、折れ、破れんどです。額装ではやはりシミ、剥離などです。そういう点では陶磁器のほうが扱いやすいという方もおられます。しかし何事にも手入れということが必要です。世の中には普遍ものなどなく常に変化に対応する努力が必要です。維持費が安いからと言ってそれに飛びつくと人間が努力することを忘れてしまいそうです。

以前に投稿した作品でシミが酷く、染み抜き改装を依頼していた作品が、改装が完了致しました。骨董蒐集には信頼のおける表具を頼める方も必要のようです。

立雛之繪 土佐光孚筆 改装完了
絹本水墨着色軸装 軸先塗 太巻二重箱タトウ
全体サイズ:縦1770*横468 画サイズ:縦947*横343



表具を改装する前の状態は下記の写真のとおりです。 



2013年5月改装
太巻き二重箱セット、17700円  改装軸装、20000円  シミ抜き 10000円
軸先は古いものをそのまま使用し、改装費用はトータルで約5万円。
改装依頼先  広島県呉市 泰平商事㈱

当への特別価格と思います。それほど高価な仕立てではありませんが、立雛の図柄にふさわしい布をつかってくれました。



色彩部分に痛みはありません。



シミもしっかりとれています。



金彩の絵の具は傷んでいません。



今後金彩などが痛まないように太巻きにして保存することのしてあります。



太巻きにニ重箱に仕立てました。



これにてこの軸の整理は完了となります。巻き止めに小生の印を押印して保管となります。



そうそう参考作品との比較で追記があります。




従四位(じゅしい)とは、日本の位階及び神階における位のひとつ。正四位の下、正五位の上に位します。贈位の場合、贈従四位といいます。土佐光孚は天保11年(1840年)に従四位上に叙せられていることから、1840年以前の作と推察され、なお、嘉永5年(1852年)に亡くなった後に正四位下を贈られています。いずれにしても位から察するに60歳くらいの後半生の作品であると思われます。

本作品はこの参考作品のように共箱ではなく、また作品はほんの少し小さめですが、出来としては参考作品より上出来といえるでしょう。


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