夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

寺崎廣業 その9 鯉 

2012-04-22 11:47:40 | 掛け軸
昨日はとある病院の式典に出席してまいりました。感謝状をいただき、さらに金一封まで授かりました。これがまた以外に・・
震災直後の工事を突貫で間に合わせてくれた御礼とか・・、皆の努力に感謝

さて本日は何度も投稿しているわが地元秋田の代表的画家の寺崎廣業の作品です。

以前に秋田の収集家から下の写真にある寺崎廣業の作品を見せて頂きました。過去の著名な作品を縮図として写して、修練した作品を巻物にしたものです。評価が高いというより地元の秋田で大切にすべきものです。


和漢諸名家筆蹟縮図 寺崎廣業筆
水墨淡彩巻物 三巻 鳥谷幡山 昭和29年鑑定箱入二重箱 
高さ283*長さ畳4畳分



その中に鯉の絵も含まれています。非常な努力家であったと聞き及んでいます。横山大観も師事を仰いだ画家です。



すばらしい巻物ですが、今後どのように処されていくのかが心配です。

本日はその寺崎廣業の「」の作品です。大きめで迫力ある作品です。鶴と並んで鯉も吉祥の図柄として喜ばれます。

鯉 寺崎廣業筆
紙本水墨軸装 軸先鹿本骨 合箱入 
全体サイズ:横700*縦2140 画サイズ:横550*縦1320



最近は寺崎廣業の作品もインターネットオークションで廉価で購入できます。ただし残念ながら一時期評価が高かったので、贋作が非常に多いので検討は充分に行ってから入札しないと贋作を買うことになります。

本ブログを参考にして落款や印章を見ているとだいたい真贋は解るかと思います。



鯉の表情がとても愛嬌があり、見ている人を和ませる作品です。いかにも吉祥の絵らしい作品です。



落款から明治30年前後の作品と思われます。「廣業席立?写」と落款に記されていることから、依頼されて即興的に描かれた作品と思われます。




表具は波紋様の布が用いられ、再表具されています。印章は「寺崎廣業」の朱方印は押印されている。落款から明治25年頃の作品であると推察されます。鯉の表現が味わい深く、かなりの技量をうかがえる作品です。


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1 コメント

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読み (夜噺骨董談義)
2012-04-22 11:50:29
読まれた方からの指摘がありました。
「廣業席立?写」→「廣業席上写」と書かれているそうです。やはり宴会などの席上で依頼されて描かれた作品のようです。
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