夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

伝天啓赤絵 馬文筆洗形茶碗

2017-01-05 00:01:00 | 陶磁器
郷里から三日の夜遅く帰宅し、昨日は挨拶廻りに安全祈願に仕事初めと慌しい一日でした。

年末には母への訪問していきました。会う前に腹ごしらえ・・、息子の箸の使い方も様に?なってきたようです。食事の躾は外食がいいようです



相変わらず元気そうで、息子とのコミュニケーションも良好で、息子も母に会うのを楽しみにしているようでした。



こういう点ではなかなか感心な子です。写真の説明も相変わらず熱心に・・。郷里でももう一人のおばあちゃんにも愛想よく・・。



さて、本日の作品はちょっと見慣れない作品です。天啓赤絵と思われる筆洗形をした器です。家内共々「面白い絵付けだね」、「茶碗として使えないこともない」と・・。

伝天啓赤絵 馬文筆洗形茶碗
合箱入
幅145*奥行70*高台径57~80*高さ70



天啓赤絵については本ブログをお読みの皆様には説明は不要かと思われます。詳細は他のブログの記事をご覧ください。

振り返る馬がなんとも愛らしい・・??



明末から清初にかけては官窯が衰退しており、民窯の作品が盛んに作られ、江戸初期の日本の茶人に愛用されて、天啓赤絵や南京赤絵、そして古染付など多くの作品が日本からの注文で輸入されました。その中には日本から型を送り、注文に応じた作品が作られたと言われています。



本作品は天啓赤絵の約束事である虫喰いが少ないですが発生しています。



砂付高台ではなく、また高台内の鉋の跡がないという点は注文品の丁寧な作りには見られないことがあります。



高台内に銘がないことなどから、時代は清朝、天啓赤絵の分類に入るかどうかの間際の作品と推察されます。



茶碗の体をなしている器は非常に珍しく、しかも筆洗形であり、日本から特注された作品であると思われます。



「筆洗形」についての説明は下記のとおりです。

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筆洗形について
筆洗(ひっせん・ふであらい)とは絵具のついた毛筆を洗う器のことです。筆を水ですすいだあと、水を切り穂先を整えるための切込みが入った文房具です。この筆洗を食器の形に取り入れたものが筆洗形のうつわです。主に茶碗や鉢などの飲食器に見られる形で、口縁部に切込みが入っています。



*詳細はリンク先を参考にして下さい。

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骨董や茶道をたしなむ方には「筆洗形」くらいは常識として知っておかなくてはいけません。



本作品の真骨頂は天啓赤絵であるか否かではなく、その文様の愉しさにあります。むろん天啓赤絵ならかなりの貴重な作品ですが、もともと天啓赤絵や南京赤絵、古染付は雑器です。茶碗に見立てるには無理があるでしょうし、それも日本から注文で茶を理解しない中国で作っているわけですから・・。



今年は整理にもっと重点を置いたマイペースの投稿とさせていただきます。本年もよろしくお願いします。



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