夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆

2010-11-17 06:13:32 | 掛け軸
恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆
紙本水墨淡彩絹装軸装箱 
画サイズ:横320*縦1165

トレドに向かう途中で見かけたドンキホーテ(ラマンチヤの男)




ドンキホーテのライバルの風車

「ドン・キホーテとサンチョは3〜40基の風車に出くわした。ドン・キホーテはそれを巨人だと思いこみ、全速力で突撃し、吹き飛ばされて野原を転がった。サンチョの現実的な指摘に対し、ドン・キホーテは自分を妬む魔法使いが、巨人退治の手柄を奪うため巨人を風車に変えてしまったのだと言い張り、なおも旅を続けるのだった…」




ドンキホーテと風車とは全く縁のない?大黒様恵比寿様

奇想天外のところはドンキホーテと河鍋暁斎の共通点でしょうかね
河鍋暁斎は明治初期に投獄されたこともあるほどの反骨精神の持ち主で、その辺もドンキホーテとの共通点?? 



河鍋暁斎の一家は、元旦には一家中で書き初めに「宝球之図」を描くのが習わしで、曉翠が亡くなるまで続いたそうです。
これは暁斎時代からの習わしであったと推察され、絵の鍛錬を怠らぬためであったと推察されるそうです。

暁斎、曉雲、暁翠の三者合筆の「宝珠の中の恵比寿・大黒図」が遺されており、暁斎が
宝珠、曉雲が恵比寿、暁翠が大黒を描いています。(至文堂 日本の美術6 河鍋暁斎と菊池容齋参照)

本作品もそのようにして、元旦に暁斎が描いた作品と思われます。暁斎の教授法は熱心で且つ親切丁寧であった伝わっています。暁斎は教えのために骨に肉を付け、身体に衣服を朱で着せて見せたそうです。

色分解すると衣服だけでも動いて見えるから不思議だそうです。

本作品は、購入時の状態が悪く、軸先は元のままにして改装しました。その時に箱と合わなくなり、箱の周囲を継ぐこととなっています。

印は「曉」の朱方印と「斉」の白方印が落款の左上に押印され、下に「惺々」の鼓形印が落款下に押印されています。明治5年以降の作品と推察されます。

左下写真が本作品の落款と印章で右下写真が参考文献の落款です。

 

河鍋暁斎はたくさんの大黒様・恵比寿様を題材にした作品を遺しています。
下の作品はその作品の一例です。

  


河鍋暁斎:天保2年生まれ、明治22年没(1831年~1889年)。享年59歳。古河生まれ、名は洞郁。号は狂齋・惺々庵・酒乱齋雷酔。国芳門下から前村洞和、狩野洞白の門転じた。暢達の筆致、縦横の奇想は一家をなした。その痛烈な風刺画はついに官辺の己緯に触れたほどであった。


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