夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

江戸期 菖蒲文様絵志野茶碗

2011-10-03 04:58:49 | 陶磁器
土曜日、日曜日と久しぶりに趣味三昧・・、といっても机に向かって今までの情報収集というか勉強中

運動不足ゆえときおり体操、近くの恐ろしく高級な蕎麦屋の脇を通り、定食屋にて食事。はたからみると非常に不健康に思えるが本人にとってはこれほど健康にいいことはない

ふと立ち寄った大きなお茶道具屋さん・・、そのお店での展示会の催し物会場にて、並べられていたお茶碗が眼に留まりました。なかなかいい作行きでしたので、誰の作であろうかと店員さんにお聞きしたら、江戸時代の絵志野茶碗とのことでした。

志野茶碗は桃山期であれば非常に高価ですが、江戸期になると3万円くらいから入手できるらしいです。値段はその風格によってかなり違うのが江戸期の志野茶碗で、贋作も当然多く、しっかりとしたお店で購入するのが良いと思い、思い切って購入しました。

ちょっとした大きな買い物、初めて骨董品で大きな買い物をした頃を思い出しました。まだ結婚してまもない頃、何もない部屋に花入れを買った時にドキドキした気持ち、窯元の先生がわざわざ届けてくれたので恐縮したのを思い出しました。そんな初な気持ちを忘れないようにしたいものです。



志野焼の作家といえば、加藤唐九朗、荒川豊蔵、そして鈴木蔵でしょう。作家についてはリンク先を参考にしてください。加藤唐九朗については最後の触れています。


江戸期 菖蒲文様絵志野茶碗
塗箱入 口径122~125*高さ65*高台径58



町田市の駅前の茶道具店である宝永堂からの9万円で購入。購入した作品で塗り箱に収められています。カリと焼きあがっている志野茶碗です。

文様は菖蒲としましたが・・、でもなんかモヤシのようですがね???





お茶碗を選ぶ基準はあくまでも感性ですね。全体のバランスが大切で、絵付、形、味わいこれらを自分の感性で選ぶしかないのです。風格があるかないかが肝要です。そのためにはいろんなお茶碗と触れてみるというより、使ってみる必要があるようです。

茶道には家元制度があり、その家元の使うお茶碗の窯の作品をよく使いますが、そのほかの窯の作品は知らないという人がわりに多いです。これも家元制度の弊害のひとつです。




志野焼:室町時代の茶人・志野宗信が美濃の陶工に命じて作らせたのが始まりとされ、可児市久々利~土岐市泉町久尻にかけて産出する、耐火温度が高く焼き締りが少ない五斗蒔粘土やもぐさ土という鉄分の少ないやや紫色やピンク色がかった白土を使った素地に、志野釉(長石釉)と呼ばれる長石を砕いて精製した白釉を厚めにかけ焼かれる。通常、釉肌には肌理(きめ)の細かい貫入や柚肌、また小さな孔が多くあり、釉のかかりの少ない釉際や口縁には、緋色の火色と呼ばれる赤みのある景色が出る。白釉一色の「無地志野」、鉄絵の施された絵志野、鬼板(泥漿)を塗り文様をヘラで掻き落とした後に長石釉をかけた「鼠志野」、白土と赤土を層状に練り込んだ「練上志野」などの種類がある。



志野焼のお茶碗は国焼(日本国内で焼かれたお茶碗)のお茶碗の原点の一つといっていいでしょう。




志野茶碗で銘卯花墻(うのはながき、三井記念美術館蔵)は国産茶陶としては2つしかない国宝(昭和34年指定)の一つである(他の一つは本阿弥光悦の白楽茶碗銘不二山)。



志野焼の種類
無地志野:文字通り絵模様が少ない白無地。
鼠志野:下地に鬼板と呼ばれる鉄化粧を施し、文様を箆彫りして白く表しさらに志野釉(長石釉)をかけて焼く。掻き落とした箇所が白く残り、鉄の成分は窯の条件などにより赤褐色または鼠色に焼き上がる。
赤志野:鼠志野と同じ手法ながら赤く焼き上がったもの。
紅志野:酸化第二鉄を含む黄土である赤ラクを掛けた上に鉄絵文様を描き、さらに志野釉をかけて焼いたもの。
絵志野:釉の下に鬼板で絵付けした上に志野釉をかけて焼いたもの。
練り上げ志野:赤土と白土とを練り混ぜ志野釉をかけて焼いたもの。
志野織部:大窯で焼かれた古志野と区別し、連房式登窯で焼かれたものを指す。

志野茶碗 銘 振袖:高8.2 口径13.1 底径6.6 安土桃山~江戸時代 16-17世紀



いわゆる志野茶碗の代表作のひとつ。半筒形茶碗は天正年間(1573-1591)後半に流行した形であるけれども,古格を脱して口作りに山路風の変化つけを行い,胴に少し張りを持たせ,高台は粘土を貼り付けた無雑作な椎茸(しいたけ)高台に作るなど,随所に作意を加えている。柔らかい百草土に鬼板を塗り,白い志野釉を通して鮮やかな緋色に映る。形,釉,景色とも三拍子揃った名碗である。


参考までに下記の作品は未公開の加藤唐九朗の作品です。本作品もまた所蔵している人から離れようとしています。生々流転・・、資金さえあれば
いつかきちんと公開できる日がくるといいですね。

鼠志野千鳥文様角皿 加藤唐九郎作
共箱共布 
275*233*53



加藤唐九郎の代表的な鼠志野の皿であり、近年特に高価な一作である。桃山志野を目指した唐九郎の思いが伝わってくる。昭和40年頃の購入したものと考えられる。箱内の書付によると当時、黄瀬戸の茶碗と一緒に売買しようとしたと思われる。茶碗が6万8千円で皿が5万8千円であったと推測される。




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