5月の節句前にお風呂には菖蒲の葉。菖蒲には邪気払い・魔除けの効果があると信じられおり、そして古くから行われていた五月忌み(中国では5月には病気が流行しやすく悪月と呼び忌み嫌っていました)と呼ばれる習慣です。
身を清める為に邪気払いの効果のある菖蒲を浮かべた菖蒲湯に入浴し身を清めます。息子が大きく育ってくれた事への感謝とこれからも健康にすくすくと育って立派になってほしいという願いを込めての菖蒲湯です。菖蒲は古くから解毒作用がある薬草として人々から重宝されていることもありますが、妊婦さんにはNGとされています。
このような習慣が無くなっているようですが寂しい限りですね。信心深い者に幸多かれ・・・・・・・
*連休中はまた5月の節句が近く、また令和の新時代に向けて「鯉」の作品を書き溜めていた原稿からいくつか投稿します。
本日紹介する天龍道人が「天龍道人」と名乗ったのは70歳頃からですが、それ以前に描かれてた本日紹介するような沈南蘋風の作品は数が少なくとても貴重な作品となります。
鯉の滝登図 天龍道人筆 70歳頃
絹本水墨着色軸装 軸先塗 所蔵箱
全体サイズ:縦1798*横408 画サイズ:縦997*横329
床に明末呉須赤絵の大皿と一緒に飾ってみました。
天龍道人はもともとは沈南蘋派に属し、熊斐を師とする資料からすると熊斐の描いた絵を参考にして当初は描かれた可能性があり、長崎派の画風を持っている作品があります。
*こちらは金城次郎の魚の大皿と風鎮は魚・・・。
沈南蘋派風の作品は根強い人気があります。
落款には「鵞湖(諏訪湖のこと)逸士王瑾公瑜冩 押印」とあります。印章は白文朱方印「王瑾之印」、朱文白方印「公瑜」が押印されています。
天龍道人の作品には「鵞湖(がこ)」、「鵞湖漁叟」、「鵞湖逸士」などが70歳前後前の作品の落款にありますが、鵞湖というのは諏訪湖の別称で、61歳で下諏訪に家屋敷を購入すると年譜にあり、それ以降の作品にはたとえば「鵞湖王瑾」という組み合わせの署名がみられます。「天龍道人」という署名は、70歳頃からのようです。この当時は長崎派の影響が画風に色濃く残っています。所蔵者であった思われる「環碧山房蔵」についての詳細は不明です。
この当時に描かれた思われる作品は本ブログでも紹介していますが、主だった作品は下記の3作品です。
関羽(関羽周倉)図 天龍道人筆 70歳
絹本着色軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1830*横460 画サイズ:縦980*横330
虎図 天龍道人筆 71歳
絹本着色軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1488*横396 画サイズ:縦690*横281
鷹図 天龍道人筆 70歳
絹本着色軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1810*横492 画サイズ:縦940*横360
繰り返しになりますが、この頃の南蘋派の影響が顕著な色彩画は非常に数が少なく貴重な作品となっています。
天龍道人を鑑賞するならこの頃の作品抜きでは語れないでしょう。この頃の作品にこそ価値があるとまでは評価しないまでもこの頃の画と90歳後の葡萄図や鷹図の作品があるからこそ天龍道人は評価されてよい画家となるのだと思います。
まともな作品が遺っているのは70歳過ぎてからの作品がほとんど・・・。
90歳過ぎて枯淡の粋に達した作品を数多く残しているこの画家は高齢化社会の我々に大きな刺激を遺してくれました。
これからの時代は職業を二度味わえる、60歳を過ぎたら本当に自分の好きなことに打ち込める時代になりました。60歳、70歳を過ぎて老け込んではいられません。その年齢になっても健康で打ち込めるものがある必要がありますね。
さてこの箱の所蔵印?については詳細は解りません。
身を清める為に邪気払いの効果のある菖蒲を浮かべた菖蒲湯に入浴し身を清めます。息子が大きく育ってくれた事への感謝とこれからも健康にすくすくと育って立派になってほしいという願いを込めての菖蒲湯です。菖蒲は古くから解毒作用がある薬草として人々から重宝されていることもありますが、妊婦さんにはNGとされています。
このような習慣が無くなっているようですが寂しい限りですね。信心深い者に幸多かれ・・・・・・・
*連休中はまた5月の節句が近く、また令和の新時代に向けて「鯉」の作品を書き溜めていた原稿からいくつか投稿します。
本日紹介する天龍道人が「天龍道人」と名乗ったのは70歳頃からですが、それ以前に描かれてた本日紹介するような沈南蘋風の作品は数が少なくとても貴重な作品となります。
鯉の滝登図 天龍道人筆 70歳頃
絹本水墨着色軸装 軸先塗 所蔵箱
全体サイズ:縦1798*横408 画サイズ:縦997*横329
床に明末呉須赤絵の大皿と一緒に飾ってみました。
天龍道人はもともとは沈南蘋派に属し、熊斐を師とする資料からすると熊斐の描いた絵を参考にして当初は描かれた可能性があり、長崎派の画風を持っている作品があります。
*こちらは金城次郎の魚の大皿と風鎮は魚・・・。
沈南蘋派風の作品は根強い人気があります。
落款には「鵞湖(諏訪湖のこと)逸士王瑾公瑜冩 押印」とあります。印章は白文朱方印「王瑾之印」、朱文白方印「公瑜」が押印されています。
天龍道人の作品には「鵞湖(がこ)」、「鵞湖漁叟」、「鵞湖逸士」などが70歳前後前の作品の落款にありますが、鵞湖というのは諏訪湖の別称で、61歳で下諏訪に家屋敷を購入すると年譜にあり、それ以降の作品にはたとえば「鵞湖王瑾」という組み合わせの署名がみられます。「天龍道人」という署名は、70歳頃からのようです。この当時は長崎派の影響が画風に色濃く残っています。所蔵者であった思われる「環碧山房蔵」についての詳細は不明です。
この当時に描かれた思われる作品は本ブログでも紹介していますが、主だった作品は下記の3作品です。
関羽(関羽周倉)図 天龍道人筆 70歳
絹本着色軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1830*横460 画サイズ:縦980*横330
虎図 天龍道人筆 71歳
絹本着色軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1488*横396 画サイズ:縦690*横281
鷹図 天龍道人筆 70歳
絹本着色軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1810*横492 画サイズ:縦940*横360
繰り返しになりますが、この頃の南蘋派の影響が顕著な色彩画は非常に数が少なく貴重な作品となっています。
天龍道人を鑑賞するならこの頃の作品抜きでは語れないでしょう。この頃の作品にこそ価値があるとまでは評価しないまでもこの頃の画と90歳後の葡萄図や鷹図の作品があるからこそ天龍道人は評価されてよい画家となるのだと思います。
まともな作品が遺っているのは70歳過ぎてからの作品がほとんど・・・。
90歳過ぎて枯淡の粋に達した作品を数多く残しているこの画家は高齢化社会の我々に大きな刺激を遺してくれました。
これからの時代は職業を二度味わえる、60歳を過ぎたら本当に自分の好きなことに打ち込める時代になりました。60歳、70歳を過ぎて老け込んではいられません。その年齢になっても健康で打ち込めるものがある必要がありますね。
さてこの箱の所蔵印?については詳細は解りません。