夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

山径春色図 木島桜谷筆 その7

2018-12-05 00:01:00 | 掛け軸
七五三、神社でのお祓いの帰りの階段で息子は千歳飴を「お父さん。これ持って!」と言って、袴の裾を手で持ってすたこらさっさと階段を下りて行きました。誰が教えた? 家内も不思議がっていました。



着物好きな息子、郷里での初詣も着物で行きたいとのこと、そりゃ大変だ  その息子、昨夜は具合が悪く一晩唸っていましたが、小生は出張へ・・、はてさて・・

本日は以前に紹介した下記の作品に続く作風邪の木島桜谷の作品の紹介です。

雪渓 木島桜谷筆 その8
紙本淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横430*縦2205 画サイズ:横300*縦1340

 

本日は上記の作品の「春」を題材にしたような作品の紹介です。

山径春色図 木島桜谷筆 その7
紙本淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横427*縦2130 画サイズ:横304*縦1290

 

桜谷の作品は、冴えた色感をもって静かに情景を表現してゆくのがその特徴となっており、その作品からは対象への深い洞察・細やかな愛情が感じられ、観る者に安らぎや心地よさを感じさせる清らかな画風と評されています。



木島桜にの作品は日本絵画本来のよさを備えているとい言えるのでしょう。



心地よい筆運び、明澄で上品な色彩、適度な装飾性、そして円山応挙以来受け継がれた確かな写生力。京都で育まれた穏和な美しさ、わかりやすさは、かつて退屈で古臭いとされた時期もあったかもしれませんが、刺激的な映像が氾濫する今日、かえってそれが新鮮に映る作品です。



50歳を過ぎて櫻谷は画壇と距離を置くようになります。昭和8年(1933) 56歳で 第14回帝展に出品した「峡中の秋」が官展への出品の最後となりました。この作品は幽谷の秋に霧が立ち上る風景で、とても静かないい作品です。晩年は文人画風の観念的表現が多くみられます。隠遁生活を象徴するように描いた「画三昧」は第12回帝展出品作品です。世間を煩わしく思うところもあったでしょうが、多く語ることのなかった櫻谷は、この画三昧がその境地なのでしょう。



この二つの作品は木島櫻谷旧邸に展示されています。引きこもりがちな櫻谷を外に連れ出したところ行方不明となり、翌朝電車事故で亡くなっているのが発見されたそうです。あまりにも悲しい最期ですが、急逝の翌年にすぐ「櫻谷文庫」が設立され、櫻谷の旧邸が残ることになりました。

  

日曜美術館で放映されたもまだまだ知る人の少ない画家です。


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