夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

悪しき贋作 閑村秋景 (伝)川合玉堂筆

2022-10-29 00:01:00 | 日本画
当方で紹介する作品を贋作と嘲笑う方が多いと思いますが、蒐集は簡単には真作には辿り着けないもののようです。今回は川合玉堂の作品では下記の作品の入手で失敗しています。



贋作考 閑村秋景 (伝)川合玉堂筆
紙本着色額装
F10号 全体サイズ:縦627*横705 画サイズ:縦455*横530



全体の雰囲気はいいのですが・・。筆致が下手・・・。



描き方に下手さがある・・。



額の裏には共シールがあります。



遠景の山のぼかしがおかしい・・。



川合玉堂の特徴であるすがすがしさがない・・。



絵の具が厚すぎる・・。



どうもしっくりこない・・・。

 

この落款の書体と印章を押印した時期は意外に長い・・。

下記写真左:大正4年「松間漁家図」より
下記写真右:昭和7年「湖畔雨後」より

同時期の参考資料と落款に違和感はないが・・。

 

さらには
下記写真左:明治43年「蓬莱山水図」より
下記写真右:玉堂美術館監修 落款・印譜集から

この書体の落款と印章は明治期から昭和初期まであり、使用期間は長いようです。本作の印影は四隅部分が真印と一致しない。

 

結局はこの作品は贋作と断定しています。不用心なところに飾っておく分には異論はないが・・。



入手に要した費用は5000円なり・・、ま~勉強代金として妥当かな。真作への道のりは長いが、蒐集家が必ず経る道のり。



利点は気軽に飾れることくらい・・。



屋根裏部屋からそのうちに処分すべき作品。





















最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。