小生の好きな画題には「鐘馗」と「鯉」があります。どちらの五月の節句に関連する画題ですが、面白い作品がこの二つ画題に多いことが蒐集する理由です。本日はいくつもの作品を紹介しています「鯉」を画題とした作品の紹介です。先日紹介した「黒田稲皐」と思われる作品の「その2」になります。手
*前の大皿はバーナードリーチ作「蛸」です。
遊鯉図 伝黒田稲皐筆 その2
絹本水墨軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1270*横730 画サイズ:縦330*横590
濃いを描いた画家は近代画家では徳岡神泉、福田平八郎などがいます。失礼ながら梶喜一などは取り上げる必要のない画家のひとりでしょう。
さらに川合玉堂、川端龍子。古くは円山応挙らがいますが、著名でない画家にも鯉を描いた作品にはいいものが結構あります。
黒田稲皐は特に鯉の絵にすぐれ、江戸後期には「鯉の稲皐」と呼ばれていました。
黒田稲皐については二作品目の紹介ですので、詳細は割愛しましが、幼少の頃から画を好み、藩絵師土方稲嶺に写生画法を学んでいます。稲嶺は病の床で稲皐を枕元に呼び寄せ、「我が門流中、相当の技量ある者のみ、画号に稲字を冠せしめよ」と伝えたとされ(『鳥取藩史』)、師の信頼が厚かったことがうかがわれます。
師である「土方稲嶺」らしい作品?として下記の作品を本ブログで紹介しています。
双鯉図 伝土方稲嶺筆
紙本水墨軸装 軸先 合箱入
全体サイズ:縦1240*横335 画サイズ:縦430*横545
なんでも鑑定団出品作へも黒田稲皐の作品が出品されていましたが、鑑定結果は贋作でした。その評は「贋作。稲皐の描く鯉の鱗はジグソーパズルをはめこんだような描き方をするのが特徴だが、依頼品の鱗は重なり合って描かれている。また鱗の一枚一枚を見ると、根本が黒く先端が白く描かれているが、その対比がはっきりしすぎている。本来の稲皐の鱗はもっと微妙な変化をしている。」とのこと。
ん~、実物を見ないとよく解らない説明ですね。「鯉の稲皐」ともてはやされたことから人気があり、多くの贋作が描かれたのでしょう。
印章は一般的な印章より縦長になっており、字体もその分長くなっており、印章の点では資料が不足していますが、落款の書体は真筆と一致するようです。
まずは黒田稲皐の作品の鑑識眼の入り口に立ったようなものですね。インターネット上の資料などは画像が不鮮明で描き方などが判断できる資料が乏しいのが現状です。
下記の作品が手元にあり、よさそうな作品だと思いますが、いつものように最終判断じっくりと調べてからになります。
群鯉図 伝黒田稲皐筆 その1
紙本水墨軸装 軸先木製 合箱入
全体サイズ:縦1650*横550 画サイズ:縦1205*横505
さて少ない資料からいくつか推測してみました。
黒田稲皐の描く鯉は主題となる一匹の鯉だけ念入りに描いてるように思われます。その特徴は「その1」、「その2」も同様です。
それに比して周りの鯉の描き方はどちらかというと淡白な描き方となります。遠近感からの理由かと・・。
中央の鯉の鱗の描き方はうまいです。
単発的な調べ方しか短い時間ではできないので、もっと時間をかけて調べていきます。とりあえず保存しておきます。
掛け軸の箱には絵の特徴を示す張り紙、風鎮には不要な本物の刀剣の鍔を使用しています。勉強だけでなく蒐集家にはこういう気づかいが必要です。ただ蒐集する、収納する、飾るでは蒐集家とはいえません。
*前の大皿はバーナードリーチ作「蛸」です。
遊鯉図 伝黒田稲皐筆 その2
絹本水墨軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1270*横730 画サイズ:縦330*横590
濃いを描いた画家は近代画家では徳岡神泉、福田平八郎などがいます。失礼ながら梶喜一などは取り上げる必要のない画家のひとりでしょう。
さらに川合玉堂、川端龍子。古くは円山応挙らがいますが、著名でない画家にも鯉を描いた作品にはいいものが結構あります。
黒田稲皐は特に鯉の絵にすぐれ、江戸後期には「鯉の稲皐」と呼ばれていました。
黒田稲皐については二作品目の紹介ですので、詳細は割愛しましが、幼少の頃から画を好み、藩絵師土方稲嶺に写生画法を学んでいます。稲嶺は病の床で稲皐を枕元に呼び寄せ、「我が門流中、相当の技量ある者のみ、画号に稲字を冠せしめよ」と伝えたとされ(『鳥取藩史』)、師の信頼が厚かったことがうかがわれます。
師である「土方稲嶺」らしい作品?として下記の作品を本ブログで紹介しています。
双鯉図 伝土方稲嶺筆
紙本水墨軸装 軸先 合箱入
全体サイズ:縦1240*横335 画サイズ:縦430*横545
なんでも鑑定団出品作へも黒田稲皐の作品が出品されていましたが、鑑定結果は贋作でした。その評は「贋作。稲皐の描く鯉の鱗はジグソーパズルをはめこんだような描き方をするのが特徴だが、依頼品の鱗は重なり合って描かれている。また鱗の一枚一枚を見ると、根本が黒く先端が白く描かれているが、その対比がはっきりしすぎている。本来の稲皐の鱗はもっと微妙な変化をしている。」とのこと。
ん~、実物を見ないとよく解らない説明ですね。「鯉の稲皐」ともてはやされたことから人気があり、多くの贋作が描かれたのでしょう。
印章は一般的な印章より縦長になっており、字体もその分長くなっており、印章の点では資料が不足していますが、落款の書体は真筆と一致するようです。
まずは黒田稲皐の作品の鑑識眼の入り口に立ったようなものですね。インターネット上の資料などは画像が不鮮明で描き方などが判断できる資料が乏しいのが現状です。
下記の作品が手元にあり、よさそうな作品だと思いますが、いつものように最終判断じっくりと調べてからになります。
群鯉図 伝黒田稲皐筆 その1
紙本水墨軸装 軸先木製 合箱入
全体サイズ:縦1650*横550 画サイズ:縦1205*横505
さて少ない資料からいくつか推測してみました。
黒田稲皐の描く鯉は主題となる一匹の鯉だけ念入りに描いてるように思われます。その特徴は「その1」、「その2」も同様です。
それに比して周りの鯉の描き方はどちらかというと淡白な描き方となります。遠近感からの理由かと・・。
中央の鯉の鱗の描き方はうまいです。
単発的な調べ方しか短い時間ではできないので、もっと時間をかけて調べていきます。とりあえず保存しておきます。
掛け軸の箱には絵の特徴を示す張り紙、風鎮には不要な本物の刀剣の鍔を使用しています。勉強だけでなく蒐集家にはこういう気づかいが必要です。ただ蒐集する、収納する、飾るでは蒐集家とはいえません。