本日は定窯の作品ということで売られていたものを購入してきた作品です。伏せ焼きされて製作されて縁に釉薬が掛からないので、覆輪を回しているのが定窯の特徴ですので、本作品を定窯の作品と勘違いし売りに出していたものと思われます。
あきらかに釉薬が定窯のものとは違い本作品は耀州窯の作品です。覆輪は定窯に見せたいがためか、縁の傷を隠すためかのいずれかの理由にり取り付けられたものと推察されます。
耀州窯青磁刻花牡丹文平碗
化粧箱入
口径175*高台径*高さ40
定窯の碗は「なんでも鑑定団」にも登場し、かなりの高価格(350万)の評価でした。
またなんでも鑑定団」に耀州窯の作品も登場しましたが、これは贋作でした。
耀州窯や定窯の完品で出来の良い碗は数が非常に少ないのが実情であり、存在してもかなり高価のようです。20世紀の終わりくらいに北宋時代の名窯の贋作が多く出回り、耀州窯と称する多くの作品が存在します。青磁の色が異なり、本物はオリーブグリーンと称するしとやかで深みのある青磁です。
贋作は中の紋様は型押しであったり、外は方切彫りであったりしますがどちらも作りが甘いものですが、かなり出来の良い贋作があり、騙される人が多いいると聞いております。
本作品を検証してみましょう。耀州窯の見所という説明と写真で比較してみました。
1、灰色がかった土が固く焼きしまっている点。
2、高台が小さくしまってよく削りだされていることは、この窯の特徴ですが、よいものは高台内に鉄釉を塗ったような渋茶色のあがりをしており、すこし高台内に砂がついた感じのものが多いです。まず高台にしまりがなければだめです。コピーのレベルもあがっていますが、このへんまでうまくできているものはありません。
3.裏側で高台の外から口辺にかけて、しのぎのように何本もの筋を刻んでいますが、コピーはこの筋のきさみの線が均一なのです。本歌はこの線が不均一で細いのも太いのもあります。
4.青磁の色は暗いのから、やや明るいのまで草色のなかにいろいろありますので、色かせはなんともいえませんが、青磁の釉薬に気泡があります。もちろんコピーにもありますが、この気泡の感じもポイントの一つです。耀州窯は別名を北方青磁ともいい、石炭で高温に焼かれている窯です。だから青磁の釉薬にも焼き物自体が焼きしまっている窯です。
5.中国陶磁は発掘のものですから、発掘の痕跡がかせなどに残っている場合があります。しかし全くないものも硬質のやきものには多いのです。青磁でもとくに耀州窯ではかせなどはない
耀州窯の青磁は宋代北方青磁の代表で、オリーブグリーンの青磁釉と「片切彫り」と呼ばれる深く鋭い彫り文様が特徴です。透明度の高い青磁釉の下に大胆なタッチで牡丹文様が彫られていることが多いのは中国では牡丹は富貴の象徴とされているためです。
耀州窯青磁の文様には、彫り文様(刻花文)と型押し文様(印花文)があり、刻花文には牡丹や蓮花など限られた文様しかありません。刻花文の代表が今回の作品です。
印花文には牡丹・菊・蓮花唐草などの各種花卉文のほか、魚・鶴・鴛鴦(おしどり)・孔雀など各種動物、及び天女・唐子など人物文様に至るまで多種多様な図柄が見られます。この代表が前に投稿したことのある下記の作品です。
北宋耀州窯青磁劃花鳥紋様茶碗
径126*高さ49*高台径32
おのおのの条件に合致しているように思えますが、中国陶磁器の真贋の判別は非常に難しく、本作品はかなり廉価にて購入できたので真作とは思えません。真作は堂々したところがあり、所蔵しても飽きがこないものですが、贋作は所蔵していることも忘れてつまらないものに思えてくるものです。品格というものは時とともに増幅してきます。真贋の判定には時間がかかることがります。なにごとも品格のあるものがいいものの条件のようです。人間もそのようです・・・。
そういう観点から見てみると本作品は近代による模倣品と判断されます。いずれ似たような作品がインターネット上に出現します。
あきらかに釉薬が定窯のものとは違い本作品は耀州窯の作品です。覆輪は定窯に見せたいがためか、縁の傷を隠すためかのいずれかの理由にり取り付けられたものと推察されます。
耀州窯青磁刻花牡丹文平碗
化粧箱入
口径175*高台径*高さ40
定窯の碗は「なんでも鑑定団」にも登場し、かなりの高価格(350万)の評価でした。
またなんでも鑑定団」に耀州窯の作品も登場しましたが、これは贋作でした。
耀州窯や定窯の完品で出来の良い碗は数が非常に少ないのが実情であり、存在してもかなり高価のようです。20世紀の終わりくらいに北宋時代の名窯の贋作が多く出回り、耀州窯と称する多くの作品が存在します。青磁の色が異なり、本物はオリーブグリーンと称するしとやかで深みのある青磁です。
贋作は中の紋様は型押しであったり、外は方切彫りであったりしますがどちらも作りが甘いものですが、かなり出来の良い贋作があり、騙される人が多いいると聞いております。
本作品を検証してみましょう。耀州窯の見所という説明と写真で比較してみました。
1、灰色がかった土が固く焼きしまっている点。
2、高台が小さくしまってよく削りだされていることは、この窯の特徴ですが、よいものは高台内に鉄釉を塗ったような渋茶色のあがりをしており、すこし高台内に砂がついた感じのものが多いです。まず高台にしまりがなければだめです。コピーのレベルもあがっていますが、このへんまでうまくできているものはありません。
3.裏側で高台の外から口辺にかけて、しのぎのように何本もの筋を刻んでいますが、コピーはこの筋のきさみの線が均一なのです。本歌はこの線が不均一で細いのも太いのもあります。
4.青磁の色は暗いのから、やや明るいのまで草色のなかにいろいろありますので、色かせはなんともいえませんが、青磁の釉薬に気泡があります。もちろんコピーにもありますが、この気泡の感じもポイントの一つです。耀州窯は別名を北方青磁ともいい、石炭で高温に焼かれている窯です。だから青磁の釉薬にも焼き物自体が焼きしまっている窯です。
5.中国陶磁は発掘のものですから、発掘の痕跡がかせなどに残っている場合があります。しかし全くないものも硬質のやきものには多いのです。青磁でもとくに耀州窯ではかせなどはない
耀州窯の青磁は宋代北方青磁の代表で、オリーブグリーンの青磁釉と「片切彫り」と呼ばれる深く鋭い彫り文様が特徴です。透明度の高い青磁釉の下に大胆なタッチで牡丹文様が彫られていることが多いのは中国では牡丹は富貴の象徴とされているためです。
耀州窯青磁の文様には、彫り文様(刻花文)と型押し文様(印花文)があり、刻花文には牡丹や蓮花など限られた文様しかありません。刻花文の代表が今回の作品です。
印花文には牡丹・菊・蓮花唐草などの各種花卉文のほか、魚・鶴・鴛鴦(おしどり)・孔雀など各種動物、及び天女・唐子など人物文様に至るまで多種多様な図柄が見られます。この代表が前に投稿したことのある下記の作品です。
北宋耀州窯青磁劃花鳥紋様茶碗
径126*高さ49*高台径32
おのおのの条件に合致しているように思えますが、中国陶磁器の真贋の判別は非常に難しく、本作品はかなり廉価にて購入できたので真作とは思えません。真作は堂々したところがあり、所蔵しても飽きがこないものですが、贋作は所蔵していることも忘れてつまらないものに思えてくるものです。品格というものは時とともに増幅してきます。真贋の判定には時間がかかることがります。なにごとも品格のあるものがいいものの条件のようです。人間もそのようです・・・。
そういう観点から見てみると本作品は近代による模倣品と判断されます。いずれ似たような作品がインターネット上に出現します。