夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 富士図 長山孔寅筆

2013-05-13 05:04:25 | 掛け軸
秋田県出身の画家である長山孔寅をご存知の方はかなりの日本画の通といえます。おそらく秋田県の人でも知っている人はごくわずかでしょう。

富士図 長山孔寅筆
絹本水墨軸装 軸先木 合箱
全体サイズ:縦1280*横700 画サイズ:縦418*横640

 

松村呉春に師事し四条派に学んだ画家ですが、四条派の画風とは少し違います。




四条派の画風もうかがわせながら、長崎派のような作品を描きます。



本作品の表具は一般的なものですが、保存箱のない状態での作品です。



インターネットには下記のような作品が掲載されています。 



似たような印章がいくつか見受けられます。左が本作品の印章と落款で、中央が著名な作品である「木蓮に孔雀図」の印章と落款で、右が晩年の作品である上記の作品の印章と落款です。

  

長山孔寅:1765-1849 江戸時代中期-後期の画家,狂歌師。明和2年生まれ。京都にでて松村月渓に師事し,のち大坂にすむ。人物,花鳥画を得意とし,三条茂佐彦(もさひこ)の名で狂歌もよくした。狂歌集の挿絵のほか戯作「貪着(とんじゃく)物語」もある。嘉永2年9月27日死去。85歳。出羽(でわ)仙北郡(秋田県)出身。字(あざな)は子亮。通称は源七。別号に紅園,五嶺,牧斎。

思文閣の墨蹟資料目録「和の美」にも掲載されていますが、今のところ資料が見つかりませんので後日また・・。板橋区立美術館で開催された「かわいい江戸絵画展」にも出品されていました。


うまい画家とは言い難いですが、本作品は秋田県出身の画家であり、富士の作品ということもあり購入したものです。


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