夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

掛合釉盃 浜田庄司作 その20 盃考あれこれ その1

2016-07-15 00:12:13 | 陶磁器
本日は朝一番で大阪へ・・。まずは東京に引き続きOB会への出席。その後、同業者との会合、そして帰京。夜遅くなりそうです・・。

さて伊万里の盃などの窯作品は本ブログで紹介しましたが、陶芸作家による盃は本ブログではきわめて稀かもしれません。

そもそも当方は自宅ではほとんど酒を飲みませんし、家族も全員下戸ですので、徳利や盃は家では無用のものです。酒は寿命を縮めますので、過度の酒量は厳禁というのが持論ですが、無論適度の酒量は百薬の長ということは認めています。

しかしながら、このたびの作品の整理にあたって作品を漁ってみると盃、もしくは酒器になる器が意外に多いことに気がつきました。世人には盃を専門に蒐集している御仁も多いと聞いていますので、少しずつ紹介してみたいと思います。

本日は浜田庄司の盃です。蒐集してみると記がついたのですが、浜田庄司の「盃」の作品はそれほど多くありません。「多くない」という表現は適切ではなく、「非常に稀」というのが適切だと思うのですがなぜでしょうね? 「徳利」の作品もまた稀・・。門窯や初期の赤絵の作品はあるようですが・・。

もしかしたらあまり酒を飲まない人だったのではないでしょうか?

掛合釉盃 浜田庄司作
共箱
口径92~95*高さ62*高台径47



箱書はきちんとしていますので、無論真作です。本ブログで「伝」や「贋作考」という注釈や説明できちんと贋作という記述の無い限りすべて真作です。当方で解りうる浜田庄司の真贋鑑定方法は本ブログで記述していますので、ここでは詳細は省略します。



浜田庄司の魅力のひとつはその釉薬の発色の素晴らしさににあります。初冬に真っ白な雪が松の木の上に降り積もったような味わいがあります。

小さめの茶碗に近いかなり大き目の盃ですが、胎土の適度な厚さと手持ちの良さがこの盃の持ち味の良さのひとつです。

盃は備前、志野、初期伊万里、唐津・・・云々と好みはいろいろでしょうが、盃というものは意外にこれといったものが人には少ないように思います。かなり凝った方ですと李朝とか・・。



旨い日本酒をぐっと一献・・・。この盃で是非飲んでみたいという盃は意外に少ない。ただ、陶磁器を製作した経験から言うと、盃は実に簡単に自分で作っても様になる器です。一番安上がりなのは、自分で作った盃だと思っています。



お気に入りの盃に、徳利は最上級の李朝の雨漏手で・・。「李朝の徳利」・・・、欲しいものです、しかもいい「雨漏手」・・・。酒器は李朝、備前がやはり本流か?



欅の木片をお盆代わりに一献・・・。展示室の冷蔵庫にそういえば戴いたワインやら日本酒があったはず・・。

温めの燗をしたした日本酒を注ぎ、降り始めた雪を眺めながら男の隠れ家の縁側で一献・・。小生が選ぶとしたらこの盃・・・。

転勤した当初は酒席が多くなり、小生は酒の里の雪国出身ゆえに酒好きと思われるのか、転勤当初は酒を貰うことが多いのですが、実は戴いたお酒はすべて会社に持ち込んで同僚らに飲んでもらっています。自宅では稀にしかお酒は飲まないので・・。

人生の敵は「欲と色と酒」と言いますが、骨董を、否ガラクタを扱う際は酒は敵、これはまさしく事実

さ~、本日は三つの会合ですが、飲み過ぎないようにしなくては・・・。



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