夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性不明作品 備前耳付水指

2014-08-05 05:10:08 | 陶磁器
陶磁器の行きつくところは「備前焼」という骨董収集の先輩が言っていましたが、最近は納得のいくことだと思っています。無釉の火に任せた作行きは人間の及ばぬ作品を生むようです。備前焼だけでなく他にも無釉の作品がありますが、窯変の妙は備前に敵う陶器はそうあるものではないように思います。

本日はその備前の水指ですが、氏素性は全く不明です。本ブログへの投稿作品は当方の感で蒐集しいるモノばかりで、本作品も形が面白く、窯変が興味深いことから購入しましたが、価値などは一切解りません。ただこれほど作為的なものも珍しくお見事というしかありません。人間もここまで作為的となるとかなりの名演技??

備前耳付水指
杉古箱
口径96*最大胴径165*高さ170



本作品の製作年代など詳しくは不明です。口縁から底にかけて割れの補修跡が見らますが、共色でうまく補修されています。



蓋は塗で作られています。



底などにも窯印らしきものは一切なく詳細は不明です。



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同類?の作例
備前 耳付 水指
高さ18.7cm 口径16.8~18.5cm 左右22.7cm 底径17.5cm


備前の水指としては作振りに変化があっておもしろいことから、茶人の間では声価が高く、益田家に伝来したものです。



作行きにかなり作為が目立ち、全体の作りも薄手にできています。口部を歪め、胴にも箆使いがかなり細かに施されています。肩の左右についた耳にもおもしろみがあり、胴裾に二段に箆目をめぐらせ、底は平らです。

口部から肩にかけて、一部に面麻釉が降りかかり、一部ほどよく、あるいはこげて窯変をなしています。見込に馬蹄形の印がおされていますが、印付が悪くかすかに残っている程度のものです。

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本作品は上記の作品と比べるべくもない作品ですが・・。よく見ると補修跡の共色が剥がれてきていいますので、金繕いが必要です。



本作品の特徴はその耳が大きく力強いことです。ここまで作為的だとイヤミを通り越してお見事というしかありません。



作為的ですが、これは作ろうと思ってやってみると分かるのですがなかなか出来るものではありません。



これは男の水指ですね





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