夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

備前緋襷茶碗 藤原啓作

2010-08-06 17:22:59 | 陶磁器
親戚の方が亡くなり、その娘さんが遺品にと言われて譲られたものの中に「備前茶碗 藤原啓作」がありました。縁があって一時期、預かっていたのですが、その品格のよさに惹かれて、いつか機会があれば藤原啓のお茶碗が欲しいなと思っていました。

インターネットオークションに幾つか出品されていましたが、今回落札して入手できました。お値段も以前より、だいぶお安くなったようです。本作品は小ぶりなせいもあるでしょうが・・。



備前緋襷茶碗 藤原啓作
共箱
口径108*高さ82*高台径57




藤原啓:岡山県伊里村に生まれ、岡山市で歿(1899~1983年)。少年の頃より文学を志し、1919年郷里を離れ上京。博文館編集部に勤めるかたわら早稲田大学英文科に入り、1年余りシェークスピアを学んだのち中退。川端洋画校にてデッサンを3年間勉強、また西岡八十に師事し詩の教えを受ける。1930年博文館を辞め独立して作家活動に入るが、強度の精神衰弱により1937年文学から離れ帰郷。陶芸に新たな希望を見出して、1939年三村梅景の指導の下初窯を焚く。陶芸の道に入ったのは40歳の時。備前焼の中興の租といわれる金重陶陽の志と技法を引きつぎながら彼とは対照的な素朴で実直な作風で多くの人々から親しまれた。桃山期の備前の研究を重ね鎌倉備前にあった素朴な逞しさを加味し、伝統的な備前焼に一石を投じた。1962年プラハ国際陶芸展で受賞。昭和45年に、備前焼の国指定重要無形文化財保持者に認定された。昭和51年、喜寿を迎えた藤原啓は備前市から名誉市民の称号をうける。








備前のお茶碗には違和感がありました。御存知のように釉薬が掛かっていないこともあり、熱伝導率が高いので熱いお湯を注ぐと、熱くてもてないので、お茶碗にはどうかな?と思っていました。
また備前は夏向きだろう・・とも。

でも薄茶の冷たいお茶には最適かもしれませんね。

まだ、このお茶碗ではお茶をいただいていませんので今夜にでも

小ぶりで女性向きの器です。

ところで備前焼にはどうして釉薬が掛かっていないか御存知ですか?

灰被りや緋襷、餅等の文様はありますが・・。

ん・・・専門的過ぎる??  用語も??



はてさて・・明日からお休み・・どんな出会いがあるかな





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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
交換会 (夜噺骨董談義)
2011-11-29 23:30:48
良かったですね。こちらも負けずにレベルをあげなくてはいけません。
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交換会 (啓さんを尊敬する焼物好き)
2011-11-29 21:52:02
焼物交換会で啓さんの上物入手しました。こちらも名のある有名作家の作品数十点手放しました。点数は少なくなりましたが満足しています。ご指南ありがとうございました。
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ついつい (夜噺骨董談義)
2011-11-23 20:03:12
つい偉そうなことをコメントしてしまい申し訳ありませんでした。

私は骨董では常に迷い道にいるようなものです。数が増えると処分するのも面倒になったり、あまりのガラクタさに自己嫌悪になり、仕事が忙しくなると放り出したり・・、結局は素人の趣味と割り切っています。
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ご指南ありがとうございます。 (啓さんを尊敬する焼物好き)
2011-11-23 06:43:06
私のような未熟な素人には、長年なかなか手放せないところに、闇雲に限りなく増えていく原因があるようです。長年しまい込んだものも沢山あるので、二束三文覚悟で手放し、次への楽しみにつなげることも考えてみます。ご指南ありがとうございました。
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売り買いのコツ (夜噺骨董談義)
2011-11-22 20:39:43
ブログにも書きましたが、骨董収集は「買う」「売る」「休む」という「基本」があるということらしいです。売らないと自分の眼力がわからないのと資金が続かない、休んでじっくり勉強する必要があるということのようです。
私は地方を転勤して歩いたので、最初は骨董市で購入しましたが、骨董市では日常品を買うならいいでしょうが一流のものはなかなかありません。そこで県庁所在地の骨董店のトップのお店で購入しました。たいがいしっかりとしたご主人がいますので買ったお店で、また新たに買う時に前の購入作品を引き取ってもらいました。良心的なおお店なら80%で引き取ってもらえます。ですから20%の損です。他の店で売ってはいけません。それでも悪いものを買う時がありますが、そこは勉強です。それを繰り返して所蔵品のレベルを上げていいものを持つことです。売らないと資金に限界がありますのでいつまでも同じレベルものしかありませんし、いいものが解りません。
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骨董 美術品の世界は楽しい (啓さんを尊敬する焼物好き)
2011-11-22 10:28:32
骨董 美術品を楽しんでは、売りまた次は掘り出し物を買う楽しみ。目利きならではの楽しみ方ですね。昨日ブログのいろんな題目拝見し、そうそうたる名が出ていたのでびっくりいたしました。備前はやっぱり啓さん、雄さん、陶陽が根強いんですね。私があまり知らない今の時代の隠崎や安倍や、異色の陶岳なども巷ではもてはやされているようですが、売り買いの世界ではどうなんでしょうか?集めるだけですと増える一方ですので、楽しみ方として素人でもわかる売り買いのコツなどありましたらご教示お願いいたします。
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備前 (夜噺骨董談義)
2011-11-22 07:08:17
資金力はそんなにありません。資金があったらすごいものが手に入ったのにと地団駄ばかり・・。基本的には売って買う、資金は無理をしないを信条としてきました。啓、雄、陶陽に限定しているのは気に入っているからとしかいいようがありません。今は売っても安いものです。ですからルートさえあれば安く?買えます。売るときにこの三者以外には値がつかないのも理由のひとつです。
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凄い収集 (啓さんを尊敬する焼物好き)
2011-11-22 01:12:02
啓さん、雄さん、陶陽、ですか?凄い資金力ですね。啓さん宅はまだ元気でいらっしゃる時に伺いましたが、陶陽は面識ありません。陶秀、楽山、素山、はまだまだ元気な頃でした。山陽新幹線が岡山まで開通した備前焼ブームの頃は岡山駅の店で啓さんの徳利が中程度で60万円ぐらいしてましたかね。当時庶民には高嶺の花でした。
収集を啓さん、雄さん、陶陽、に限定されている理由はどのようなところに?
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藤原啓 (夜噺骨董談義)
2011-11-21 18:46:39
コメントをありがとうございます。
本当にネットで購入する時はかなりのリスクを負いながらの購入となりますね。
いろんな機会で本物を見た資料をもとに判断していますが失敗もあります。チャレンジして失敗した分、大きな勉強になります。
備前は藤原啓、藤原優、そして金重陶陽のものに限って収集しています。機会がありましたらまた投稿したいと思います。
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いいお茶碗です (啓さんを尊敬する焼物好き。)
2011-11-21 14:23:21
啓さんのいいヒダスキのお茶碗ですね。インターネットオークションは偽物もよく出回っていますが、このお品はまず本物でしょう。ヒダスキ茶碗は啓さん、雄さんのものが最高と思っています。オークションの世界では安くなったと言ってもたかが茶碗に、数万はしますからね。オークションでは本物で完品を求めようとすると、一か八かという危険な部分もはらんでいますので、今回求められたようなお品なら、うらやましい限りです。

安くなったとはいえゴマ垂れや、メロン肌に緋色の景色などの一級作品なら今でも百万は下らないでしょう。

啓さんは人間国宝ですが、小柄な啓さんの本当にすごいところは、啓さん本人の器の大きいところです。偉大な方です。それ以降の備前の人間国宝とは格が違います。啓さんのお茶碗を手にして啓さんの人物を偲んでみて下さい。啓さんの人となりが、見えてきます。

楽しんで使って下さい。

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