夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

扇面 海辺松聲図 橋本雅邦筆 橋本秀邦の鑑定について

2021-02-17 00:01:00 | 掛け軸
バレンタインデーは家内と息子でケーキ作り、卵の黄身(卵黄)、白身(卵白)の分け方を学んだようです。



大好きなイチゴを盛りつけました。



はい、完成です。夕食後に皆でいただきました。



さて本日は橋本雅邦の作品についてです。子息の橋本秀邦の鑑定箱書がありますが、鑑定については「鑑定書などの鑑定そのものの偽物」、「鑑定は本物でも作品は偽物(この場合は作品をすり替えた場合と鑑定者が報酬欲しさなどでいい加減な鑑定をした場合)」という事象の多いことから、いくら作品に鑑定があるからといって、真作でない作品が数多くあります。

掛け軸で鑑定の贋作・鑑定のあやふやさなどが多く、真贋の判定が難しい画家のひとりに橋本雅邦が挙げられます。本日は橋本雅邦の作品を紹介しますが、この作品については真作と当方では判断しています。



扇面 海辺松聲図 橋本雅邦筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 橋本秀邦鑑定箱(昭和21年7月下旬) 
全体サイズ:横400*縦1400 画サイズ:横410*縦150



扇面の小さめの作品ですが、作品は真作と判断しました。



真作と判断した根拠の一番はなんといっても橋本雅邦特有の作品の透明感です。いわゆる雰囲気というものです。これは鑑定の上で鑑定書や印章、落款の是非より鑑定の第一義のもので、すべてに優先するものでしょう。



箱書は橋本雅邦の三男である「橋本秀邦」の昭和21年の鑑定ですが、昭和21年は橋本秀邦が亡くなる前年となります。

 

この鑑定は間違いのないものでしょう。晩年の達筆な箱書となっています。

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橋本秀邦:日本画家。明治14年(1881)東京生。日本画家橋本雅邦の三男、弟は永邦。名は得。父の指導を受け、連合絵画共進会で銅牌を受賞。雅邦門下生による二葉会幹事となり、文展開設では新派の国画玉成会に参加する。日本美術院院友。昭和22年(1947)66才存、歿年未詳。

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残念ながら橋本雅邦の落款や印章の資料は詳細な資料が手元になく、まだ確認できていませんが、絵から感じるものは真作そのものと考えていいでしょう。

 

巻止の保護紙には「東京市本郷区動坂町327京表具白雲洞」と記されてあり、「白雲洞」にて表具されたものと推察されますが、実にいい表具です。

*なお白雲洞は現在も営業されてるようです。



実にいい表具ですし、保存状態が完璧です。



扇面の小点ながら、このような作品を床に飾ると心が和み、とくに夏の季節に掛けると松風を感じることのできる品格のある作品ですね。

*このような作品が現在は眼が利きさえすれば数千円から数万円で入手できます。実際の美術商の売値は10万~20万前後の作品と思われます。


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