夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

古武雄焼(弓野焼) 二彩松絵大皿

2019-09-25 00:01:00 | 陶磁器
「男の隠れ家」から漆器を何点か持ってきています。揃いの中で傷を補修すると使えるものなどです。ペアを基本として、一部を5客揃いで持ってきました。これが何種類もいくつ揃いもある・・・



明治中期頃の作品でしょうがいい味が出てます。一般に朱塗りのほうが色合いも変化し、朱の下の黒が見えたりして味わい深い根来風の漆器になります。日本の民芸の原点がここにある・・・・



さて何とはなしに好きで蒐集している民芸作品に「古武雄焼(弓野焼)」の作品群があります。主に甕や大皿がメインですが、本日は中皿というには少し大きめの松の文様が描かれた作品の紹介です。

古武雄焼(弓野焼) 二彩松絵大皿
誂箱
口径315*高台径170*高さ55



内側の口縁に松の絵を勢いよく描かれている弓野焼の作品。弓野焼は唐津焼の一系統で、江戸時代前期頃から作陶が始められたとされますが、現在は主に甕に対する評価が高いようです。

*古武雄焼やそれに類する弓野焼は本ブログの記事に詳細は記述されているので詳しくはそちらを参考にしてください。



本作品は全体に白い化粧釉を掛けた後に、大胆な筆使いの鉄絵で口縁に一本の松が描かれています。白い釉の部分は朝鮮の刷毛目の白にも似ており、経年により何とも言えない味わいとなっているのが魅力となっています。 若干の傷はありますがが、それでも鑑賞に価する作品でしょう。







古武雄の作品では人間国宝となった陶芸家の中島宏氏のコレクションが有名で現在は佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈されています。



下の写真は県重要文化財の「鉄絵緑彩松樹文大平鉢」は鉄絵緑彩と呼ばれる古武雄の代表的な作品です。口径49・2センチで、褐色の素地に白の化粧土を施し、鉄絵の具で松樹文を線書きして緑釉(りょくゆう)で彩色している見事な作品です。



中島宏氏の蒐集した作品には下記の見事な作品がありますが、当方の所蔵作品*と比較してみました。

鉄絵緑彩岩松樹文甕 肥前 武雄 小田志・弓野 1630~1670代



*松の描かれた蒐集作品は下記の作品があります。



下記の徳利は雑誌に掲載されたこともある作品らしいです。(詳細は不明)




緑褐彩櫛目文大皿 肥前 武雄 小田志・庭木 1650~1690代



*同手の蒐集作品は下記の作品があります。



緑褐釉櫛目草文大皿 肥前 武雄 小田志 1650~1690年代



*同手の作品はありませんので、下記の大徳利を比較してみました。



象嵌鶴文大皿 肥前 武雄 小田志・庭木 1630~1650代



*蒐集作品で象嵌のある作品は下記の作品です。





中島宏氏の蒐集作品には到底数段及ばない作品ですが、最近でもまだこの程度の作品ならそれほど高値でもなく入手できるということです。



日本の陶磁器にはたくさんの種類の陶磁器があって、そういう作品に恵まれている環境に日本人は感謝しなくてはならないと思います。













それほどの大枚を使わずとも楽しめる民芸作品は日本には数多くあると思います。100円ショップで食器を買うのはよしましょう。



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