夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

掛釉二彩唐津大徳利 古武雄焼(二川焼)

2020-07-18 00:01:00 | 陶磁器
本日の作品は民芸作品の代表格・・???

褐色と緑の釉薬を櫛目状に白い土で文様を形成したものに打ちかけている作品です。この掛け釉薬の技法は近代では浜田庄司の作品の作品などにも見られます。打ち釉薬はほんの一瞬の間に施されますが、その技は考えるよりはるかに難しいものです。

*左の掛け軸は田中一村筆による「軍鶏」で、近日投稿予定の作品です。



打釉二彩唐津大徳利 古武雄焼(二川焼)
誂箱
口径53*胴径205*高台径125*高さ330



大徳利を手にもって横にして二種の釉薬を掛けたようです。



掛けすぎてもいけない、少なくても面白くない。これはやってみた人でないと解らないものです。



浜田庄司のあっというまの掛け釉の技を観ていた人が「そのような短い時間でできるのにお値段高いですね?と問うたところ、浜田庄司が「長い鍛錬が含まれている。」と答えたそうです。



この作品は分類上は古唐津に入ります。さらには古武雄焼という分類になりますが、このことは幾度となく他の作品で記述していますので説明は省略させていただきます。



家内も「この作品はいいわね!」という感想でしたが、「そう、この作品はいいです。」という小生の答え・・。



運よくいい作品が入手できました。「古武雄焼 緑褐打釉櫛目文大平鉢」と共に当方の所蔵作品の打釉の名品と思っています。



本作品と同じ系統の作品は下記の作品が本ブログに投稿されています。

徳利では下記の2作品です。

櫛目文唐津大徳利 古武雄焼(弓野焼)
誂箱
口外径45*最大胴径160*高台径107*高さ345



下記の作品は古武雄の徳利の作品中では逸品だと思っています。打ち釉薬の代わりに透明な釉薬が処理されているように思います。

松絵紋二彩唐津大徳利 古武雄焼(二川焼)
「小さな蕾」(2001年4月号 「骨董と偲ぶ」)掲載作品 合箱
口径*胴径135*高台径*高さ240



大皿では下記の3点を紹介しています。

下記の作品が本日紹介する作品と同じような打釉の技巧による作品です。これほど出来の良い作品は珍しいでしょう。

古武雄焼 緑褐打釉櫛目文大平鉢
古杉合箱
口径365*高台径*高さ105



こちらも絵皿としては佳作ですね。

古武雄焼(弓野焼) 二彩松絵大皿
誂箱
口径315*高台径170*高さ55



三島唐津象嵌大鉢 
藤谷陶軒鑑定箱入
口径445*高台径*高さ155



一般的に弓野焼と称されている水甕には下記の2点の作品が紹介されています。

松絵紋二彩唐津水甕 古弓野焼
漆蓋 合箱
口径320*胴径355*高台径130*高さ295



松絵紋二彩唐津水指 伝古弓野焼
漆蓋 合箱(所蔵印在)
口径96*胴径175*底径*高さ145



上記に記述しました浜田庄司の打釉の技術を見せている作品には下記の2作品が本ブログにて投稿されています。

釉描角盛皿 浜田庄司作
共箱 
作品サイズ:304*300*高さ67

まるでお化け?のような文様になっていますね。叔父から頂いた作品です。



もうひとつは有名な万博に展示された作品と同手の大皿ですが、この大皿は今では入手不可能でしょう・・。掛け釉薬の見事な技です。

白釉黒流掛大鉢 浜田庄司作
共箱 花押サイン有 
径550*高さ143*高台径245

デザイン性の優れた釉薬の打ち方は思うようにはいかないものです。一瞬のミスでいままでの工程がすべて駄目になりますし、掛け直しはできません。



民芸の魅力はその手慣れた技法によります。絵付けも打釉も幾度となく繰り返した工程の結果です。



本作品に戻りますが、二彩色の打ち釉薬が見事ですが、これ以上の釉薬を掛けたら景色がうるさくなりますね。



徳利を横に持ち、釉薬をさっと二種類掛けたら、乾く前に横にしたと推定されます。簡単なようで出来のよい景色はなかなかできないし、万が一景色が良くない仕上がりではすべての工程が無駄になります。人生と同じさ・・・




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