2011年5月15日(日)、一関市大東町「岩手エビネ愛好会(小島忠一会長)」主催の「第22回エビネ・山野草展」が、大東勤労者体育センター(大東町大原字川内35)で開催されていましたので見に行ってきました。エビネや斑入り植物が沢山展示されていましたが、その他の山野草もありました。それらの中に見頃を迎えた見事なウラシマソウ(浦島草)がありました。
ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科 テンナンショウ属 Arisaema thunbergii subsp.urashima
野原や山林のやや湿った場所に生える多年草。高さ50㎝ほど。花は仏炎苞の中にある肉穂花序(にくすいかじょ)に付き、花序の先端にある付属体は細長く伸び、苞の外に突き出して垂れる。この様子を、釣り糸を垂れた浦島太郎に見立てたことからこの名がついた。葉は鳥足状に小葉をつけ、花よりも高い位置にある。テンナンショウの仲間は雌雄別株で、根茎が肥えると雌、やせると雄へ性転換することが知られている。
栽培:庭植えの場合、乾きや直射日光に弱いので、腐植質で柔らかく、やや湿り気のある場所を選ぶ。木陰やネットなどの遮光下が理想的である。新葉が固まるまでは日に当てるが、その後は半日陰で管理。肥料を好むので、置き肥と液肥で肥培する。植え替えは春先の休眠期に行い、赤玉土・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで、深めの鉢に植え付ける。芽より根が先に動き出すので、根を傷めないように注意する。増殖は殖えた子球を親球からはずして植え付けるほか、実生もできる。秋に赤く熟した実からタネを摂り出して採り播きする。2年後には、親植物と同じ用土に移植し肥培すると4年目には開花する。分球でも開花までに数年かかる。花期:4~5月。分布:日本各地。
「ウラシマソウ」の名がつく仲間には、下記のものがある。
ウラシマソウ素心花:A.thunbergii ssp.urashima 清楚で美しい。各地で幾つかのタイプが発見されている。
ウラシマソウ赤花:A.thunbergii ssp.urashima 微妙な色合いではあるが、園芸上の赤花として認知されている。
ナンゴクウラシマソウ:A.t.ssp.thunbergii 本州(兵庫県以西)・四国・九州に分布。付属体の付け根にしわや突起がある。基部がざらつく。
ヒメウラシマソウ:A.kiushianum 本州(山口県)・九州に分布し、低山帯の暗い林に生える。小型。仏炎苞の内側に白いT字模様がある。
以上、[栃の葉書房発行「別冊趣味の山野草・山草図鑑」&同「育てる調べる・山野草2525種」より]
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