久しぶりの積雪となった。他の地域ではそこそこ積もっていたようだが、このワイン街道辺りは逃れていた。山やスキー場の雪は苦にならないが、生活圏での積雪は障害でしかない。冬タイヤを履いていればある程度は移動性を確保できるのだが、それでも道が空いていないとか、狭い道を対面交通をしたくないとか、利点は皆無である。精々景色が違うぐらいの事である。雪国の生活は大変だといつも思う。先ずは手軽に走りに行けなくなる。天候とか違う要素を考えざるを得ない。
フランクフルターアルゲマイネ新聞にローマの聖チェチーリア楽団を率いて最後のツアーに出かける指揮者パパーノにインタヴューしている。そこの楽団がイタリアにおける交響楽団の歴史としてリヒャルトシュトラウスとの関係などで中欧的なそれを身につけて、2005年に引き受けた時には、チョンやガッティの後で状態が良かったところに、パラドックス的にイタリアの歌の伝統を加味したというのである。
今でも殆どがイタリア人の楽団で、そこにイタリアから英国、アメリカへと移民した息子として就任した。完璧なイタリア語を使えないことから、特別に楽団員が手解きをしてくれたというのである。この辺りの事情は外から見ていただけではよく分からない。確かに、金曜日にツアーの為の本番練習が本拠地から生中継されたのを聴いていても、なにか冠詞の使い方なんかがぎこちない感じはした。
今回のツアーでもブルックナーとシベリウスを主に置いた二つのプログラムが演奏される。これらをローマの楽団がどのように演奏するのか。イタリア的な情感を込めてとなっても、イタリア料理は何でもトマトソースでというのは余りにも乱暴過ぎるというのが心の様である。放送でシベリウスが演奏されたが、それなりに良さは聴けた。
早速フランクフルト公演の残券状況を見たら安い席も空いている。もし来る金曜日にデジタルコンサートの生中継がなかったら出かけていただろう。ピアノは、アルゲリッチが弾く予定でラヴェルであったが、病気の為にキャンセルした代わりにフランクフルトでは今秋ペトレンコと共演するソンジンが演奏する。序に聴いておきたかったが縁がないようだ。
さて皆が期待するバレンボイムの後任人事に関しての質問に対して、嘗てベルリンの支配人だった演出家のフリムが2017年に「素晴らしい男だから、来てくれたらロンドンのコヴェントガーデンからウンターデンリンデン迄赤絨毯を敷き詰めるよ」と語った言葉が紹介されて、元のアシスタントとして従来からもこの数日間もバレンボイムと電話で連絡を取っていることが明かされた。そもそもロンドン交響楽団にラトルの後任として就くことから、一つに集中したいとしながらも、ベルリンへの就任は否定しない。今後は交渉次第となるのだろう。
交響楽団指揮者としては頂上には至らないのだが、劇場指揮者としては頂点にいる指揮者であって、他の名前が挙がったような指揮者とは比較にならない実力者である。同時に本人も語っているように、シュターツカペレベルリンは演奏会もツアーもあるのでと前提を挙げている。嘗てのイタリア系のズイットナー指揮の時のような瀟洒に歌う其れへとバレンボイムの楽団を変えて呉れるのかのかどうか。とても期待が高まる。
参照:
Achtzehn Jahre römischer Frühling, Clemens Haustein, FAZ vom 20.1.2023
大寒期をやり過ごす 2023-01-19 | 暦
ヒューマニティーを 2022-03-24 | 文化一般
フランクフルターアルゲマイネ新聞にローマの聖チェチーリア楽団を率いて最後のツアーに出かける指揮者パパーノにインタヴューしている。そこの楽団がイタリアにおける交響楽団の歴史としてリヒャルトシュトラウスとの関係などで中欧的なそれを身につけて、2005年に引き受けた時には、チョンやガッティの後で状態が良かったところに、パラドックス的にイタリアの歌の伝統を加味したというのである。
今でも殆どがイタリア人の楽団で、そこにイタリアから英国、アメリカへと移民した息子として就任した。完璧なイタリア語を使えないことから、特別に楽団員が手解きをしてくれたというのである。この辺りの事情は外から見ていただけではよく分からない。確かに、金曜日にツアーの為の本番練習が本拠地から生中継されたのを聴いていても、なにか冠詞の使い方なんかがぎこちない感じはした。
今回のツアーでもブルックナーとシベリウスを主に置いた二つのプログラムが演奏される。これらをローマの楽団がどのように演奏するのか。イタリア的な情感を込めてとなっても、イタリア料理は何でもトマトソースでというのは余りにも乱暴過ぎるというのが心の様である。放送でシベリウスが演奏されたが、それなりに良さは聴けた。
早速フランクフルト公演の残券状況を見たら安い席も空いている。もし来る金曜日にデジタルコンサートの生中継がなかったら出かけていただろう。ピアノは、アルゲリッチが弾く予定でラヴェルであったが、病気の為にキャンセルした代わりにフランクフルトでは今秋ペトレンコと共演するソンジンが演奏する。序に聴いておきたかったが縁がないようだ。
さて皆が期待するバレンボイムの後任人事に関しての質問に対して、嘗てベルリンの支配人だった演出家のフリムが2017年に「素晴らしい男だから、来てくれたらロンドンのコヴェントガーデンからウンターデンリンデン迄赤絨毯を敷き詰めるよ」と語った言葉が紹介されて、元のアシスタントとして従来からもこの数日間もバレンボイムと電話で連絡を取っていることが明かされた。そもそもロンドン交響楽団にラトルの後任として就くことから、一つに集中したいとしながらも、ベルリンへの就任は否定しない。今後は交渉次第となるのだろう。
交響楽団指揮者としては頂上には至らないのだが、劇場指揮者としては頂点にいる指揮者であって、他の名前が挙がったような指揮者とは比較にならない実力者である。同時に本人も語っているように、シュターツカペレベルリンは演奏会もツアーもあるのでと前提を挙げている。嘗てのイタリア系のズイットナー指揮の時のような瀟洒に歌う其れへとバレンボイムの楽団を変えて呉れるのかのかどうか。とても期待が高まる。
参照:
Achtzehn Jahre römischer Frühling, Clemens Haustein, FAZ vom 20.1.2023
大寒期をやり過ごす 2023-01-19 | 暦
ヒューマニティーを 2022-03-24 | 文化一般