デジカメコレクション デジカメ大好き

デジカメでいろいろ撮ってます 腕が悪いくせにカメラのせいにして買ったカメラが150台超えました

浮世絵のすごいところ

2021年09月06日 | RICOH
今日も国際文通週間の切手と共に、浮世絵与太話をお聞きいただければと思います。浮世絵には主に肉筆画と木版画がありますが、広重~北斎とくればもちろん木版画。この錦絵という技法が画期的、優れた絵師、彫師、摺師の三位一体で成せる技なんでしょうが、おそらく世界初のフルカラー?大量印刷。これにより今まで武家の屏風絵、襖絵だけだったものが、庶民の家庭に行きわたったのだから大功績。

国際文通週間の切手も1963年から葛飾北斎の「富嶽三十六景」シリーズにチェンジ。以降7年間続きます。色彩もより鮮やかに。



1963年発行「神奈川沖浪裏」



この波頭を描くには、カメラなら1/6000秒以上のシャッタースピードが必要だそうです。北斎は超人的な眼の持ち主だったのでしょうか。舟も3艘見えますが実は1艘で、タイムラプス的に近づいてくる様子を表現したとも言われています。もしかしたらデジカメはようやく北斎の眼に追いついたのかも。

1964年発行「保土ヶ谷」
旅の始めか終わりに見る富士



1965年発行「三坂水面」
逆さ富士が冬富士に、北斎のセンス



1966年発行「隅田川関屋の里」
隅田川の土手を疾走する馬



1967年発行「甲州石班沢」
海に見えるけど川 甲州ですから



1968年発行「尾州不二見原」
名古屋から富士山見えたんですね



最後は1968年発行「甲州三嶌越」
中華風の雲に三色の富士
ここも甲州、静岡の三島じゃありません



浮世絵師のすごいところはその作品数。広重が20000点だから1日1枚描いても50年以上、北斎は30000点だから80年以上、広重は享年61歳、北斎は90歳だから描き上げるペースは同じくらい。きっと描けば売れるから、版元に煽られていたのでしょうか。その証拠に冨嶽三十六景も46枚ありますからね。あとで10枚追加?もしかしたら現代の売れっ子漫画家みたいに〆切と闘ってたのかもしれません。

ちなみに世界記録はピカソの15万点、1日5枚描いても80年以上かかる。まあ彼の場合は描けばなんでも作品になっちゃうんでしょうけど。