北海道紀行2
今となっては遠い昭和の中頃の話です。
「森進一の襟裳岬」が世に出てから、がぜん全国的に有名になった襟裳岬。
その歌の素晴らしさで、観光客がどっと押しよせるようになった。
ところが、襟裳町民は、「森進一の襟裳岬」が大っ嫌いなんですって!
私は名曲だと思うのだが、、、その中のフレーズに「襟裳岬の何もない春です~」、、、が地元町民には気に入らなかったようだ。
それを私が聞いて、ずいぶん野暮なことをいうもんだなーって感じたのだが、住んでいる者たちにとては「何もないとは何だキサマ!」ということになる。上から目線を感じたのかもしれない、、。
面白いものだと感じました。そりゃ文面通りにとれば襟裳岬をバカにしているようだ。だけど作詞家の本意は、襟裳岬の何もないところが私は大好きなんだ、、、ということなんだが。
町民は、「うんにゃ、滅相もないことを、抜け抜けとキレイごとのようにごまかしおって!」と感じたそうです。
その後、襟裳岬の作詞家と町民が和解したかどうか、、、は私は知りません。
ところが、私が襟裳岬に行くのは3回目だと思うが、、、「何もないところ」感はヤッパリすごかった!襟裳岬には樹木がなくて、延々と草原が続き、襟裳岬の歌詞のように、草・草・草以外は何もなかった。
確かに春になれば、春になれば虫も出てくるだろうし、春の草の若葉も出てくるだろうが、、、だだっ広い草原は変わらない。
そこが襟裳岬の、らしいところで、襟裳岬の魅力なんだ!
そう言っちゃおしまいよ~~~違う言葉で言ってくれと、襟裳町の方々に言われてもなーーー!
あのフレーズとあのメロディーと、森進一の声、しゃがれた声と、叩きつけるような歌い方がいかったんだ!
じゃーん
襟裳岬は硬い岩盤だったので、荒波に侵食されないで、こんな感じに先端が海に没していきます。
白いカモメと黒い鳥が混じっていた。
天気が良いと、トドが岩に上で日向ぼっこしているそうです。
でも今日は霧雨で残念ながらトドもいなかったし、素晴らしいであろう遠望もきかなかった。
岩に白いペンキのように付いているが、鳥の糞です。
いっぱいいるけど驚くほどの数じゃない。
雨脚がだんだん強くなってきたので、傘をさして岬の先端まで行ったが、残念ながらトンボ返りだった。
ほら、何もない襟裳岬でしょ?
町民にとっては自慢の襟裳岬ではあるが、観光客や森進一ファンにしたって、「何もない襟裳岬」が大好きなんですよーーー。
後日、襟裳岬を訪れたら、森進一と島倉千代子の「襟裳岬」の歌詞碑が立ていた。森進一の歌も地元の人たちに受け入れられたのでしょう。
北海道の海岸線は樹木が生えていない丸裸のところが多い。
風が強いので木が生育しにくいのではないか?
海の植物を豊かにするには、陸地の緑が健康で豊かじゃなきゃいけないそうだ。それを考えると襟裳の海はどーなんだろう。昔、それで襟裳岬を植林したということを聞いたことがあったが、見た限りではそれはなかった。
北海道の宿は連休中は行楽地では取れないかもしれないが、ちょっと外せば当日でも宿泊OKだった。ホテルは2の2で取れました。連絡船も基本的に満員ですが、キャンセル待ちで1便逃せば大抵乗船できると思います。
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