監督製作は張麗玲。
2006年11月にフジテレビで放映されたドキュメンタリーの映画版です。
中国からの留学生だった張麗玲さん自身が、日本でひとつも良いことがなかったけど、帰国する前にいちど社会に出てみようと、大倉商事に入社した。そこで、素晴らしい出会があり日本を見直した。日本で勉強している留学生や働いている中国人を本国、中国の人々に知ってもらいたいと、映像を撮りだした。
ココにもおもしろいエピソードがあった。張麗玲さんはTV会社にいけば、あまっているビデオカメラがあるだろうと、フジテレビを訪れたところ、運命の出会いか、快くビデオカメラを貸してもらえた。あまつさえ、フジのスタッフ達は張麗玲さんの熱意に感じボランティアで手伝ってくれた。よほど張麗玲さんの熱意がほとばしっていたのだろう。
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「泣きながら生きて」のストーリー、、、、タイトルが映画の内容とは少しずれている。見た感想ではサクセス・ストーリーとも思えるからだ、、、。たしかに裕福な暮らしじゃないが、ハッピーエンドです。観客は涙なしには見れませんけどね、、、。
文化大革命のとき16歳だった主人公の丁尚彪さんは、下方政策で上海から農村に追いやられた。それから空白の10年を何とか生きながらえて、30歳を過ぎたあたりに、全てをなげうって日本に留学した。最初は大学に入りたかったが、日本で過ごすうちに、自分ではなく娘に自分の思いをついでもらおうと思った。一日に3つの仕事をかけ持ち、お金はほとんどを本国に送金。
以来15年、、、、。
ようやく、娘さんが市立NY大学に入学して、医者になるため勉強をはじめた。娘さんがNYに行く経由地の東京で8年ぶりに再会。そこで娘さんは父、丁尚彪さんがどんな暮らしぶりでお金を送金してくれたかを知った。
丁尚彪さんの女房も、丁尚彪さんが長いこと帰国しないのは異国に女でもできたかと思っていたという。再会は15年後。NYへ娘さんに会いに行く途中、東京での乗り継ぎの時間に再会だった。そこで、またもや自分の亭主がどんな暮らしと思いでお金を送金してくれていたかわかった。
一家が日本、中国、そしてニューヨークへと離散し、文化大革命の混乱のためにかなえられなかった夢を一人娘にたくす父親の身を削るような生きざまをつづる。エンドは丁さんが上海に帰る飛行機内で終わります、、、だからハッピーエンドだと思うのだ。
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現在の日本では想像ができないようなストーリーです。発展途上国では、このようなストーリが山ほどあるかもしれない。親がもくもくと子のため頑張ると言うは易し、実際はものすごく大変です。なにより、、、、親の気持ちは普遍なれど、、、今の日本の、いかんせん子供たちの根性が、、、問題だ。
この映画は、日本で働く中国人、丁尚彪の気持ちを、娘さんがリレーのようにシッカリ引き継いでNYで医者になるというサクセスなんだと思う。
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編集をされた方のブログがあったので貼り付けておきます。
http://www.fujitv.co.jp/ichioshi06/061103nakinagara/f_interview.html
その内容です
Q. 取材期間10年という作品になりましたが…
あっという間の10年間でした。(丁さん一家にはたくさんのことがあったのに)自分は進歩ないなあ~って(笑)。はじめて張麗玲さんにお会いしたのは、芦花公園の編集室でした。中国でのテレビ局での放送にむけてプレゼン用のビデオの編集中でした。1時間番組10本の90分のパイロット版の編集中で、そのオフライン編集から参加させていただきました。
Q. はじめて映像を見たときの感想は?
留学生たちの自立心、野心含め、鮮烈でした。当時の日本の学生はそれに比べて情けないと思いましたね(笑)。本来、中国での放送が目的だったのですが、“ぜったい日本で放送した方がいい。もったいない”と感想を述べました。
丁さんは当時、8年間家族に会っていなかったのですが、私は10本の中でこの作品が一番好きでした。実は丁さんと私は同じ年で、親父の背中というか、親父の在り方にとても共感したんです。あのときは、娘さんがニューヨークの大学に受かって渡米するところまでの作品でした。
Q. その後、取材が続いていることはご存知でしたか?
上海の家族のお母さんのところに取材に行っていたりしていたことは聞いて知っていました。ただ、当時丁さんは不法滞在者の身だったので、テレビでの放送は無理でしたので、“映画でやろうか?”という話が持ち上がっていましたね。
Q. 今回、音響効果さんという立場で、特に気をつかったところは?
今回は日本・上海・ニューヨークという3ケ国に散った丁さん一家というグローバルなテーマで、普通の音づけだとどうしても安っぽくなってしまうんですね。この家族の、離れて生活してきた年数や内容の深み、丁さんの生き方やスケール感をどのように音をつけて表現しようかと。泣かせるシーンでいつもように泣かせるような曲をつけても曲が内容に負けてしまうんです。こんな経験ははじめてでした。
また、横山さんは、“テレビで、ゴールデンで、見せる”ということは視聴者にわかりやすく、見やすくしなくては、と意識しますよね。でも、張麗玲さんと煥さんは“真実をそのまま伝えたい”と。文化大革命や下放は申しわけないのですが、我々にはわかりませんから、MAのときずっと並行線のままでした。日本での放送の責任者は横山さんですが、ずっと取材を続けてきた張さんたちの思いが強くて…MAには1週間かかりました。はたしてどうなったのかは放送を見てのお楽しみです。
【張 麗玲さんインタビュー】
Q.そもそもの取材をはじめたきっかけを教えてください。
元々自分が留学生で、最初は日本に対するいいイメージがなかったんです。
でも、このまま中国に帰ったら日本を一生好きになれないままだと思って日本の社会を見てみようと、大倉商事 1 社だけ受けました。それで落ちたら帰ろうと。そうしたら合格して、とてもいい会社で、日本に対する印象が変わりました。
今では自分の力で海外にでることができるようになりましたが、当時は皆、すべてを捨てて中国を出てきていたんです。そういう人たちの持つ力強さ、意思の強さがいかにすごいか…成田で見ていると感動させられて、追いかけてみたいと思うようになりました。
テレビ局に行ったらあまっているカメラがあって貸してくれるのでは?と思ってテレビ局をまわったんです。そうしたらどこも貸してくれなくて、おまけに私の企画のお話だと、自分で思っているより相当予算がかかるみたいで (笑)。フジテレビが最後でした。横山さんにお会いしたらお話を聞いてくださり、「 これで撮りなさい 」 とデジカメを渡されたのですが、(当時は丁度デジカメが発売された 3 ケ月後でした)「こんなオモチャのようなカメラでは撮影を受けてくださる方が失礼でしょ!!」と怒った覚えがあります (笑)。
記録のつもりでカメラをまわしはじめて、そのうち、中国での放送を目指すようになって。でも放送できなくても資料として意味があるのでは、と思っていましたので、放送できたときは夢のような気持ちでした。
Q.丁さんとの出会いは…
留学生を全部で 60 名くらいでしょうか。撮影していくうちに人づてに紹介されて丁さんとは出会いました。はじめて出会ったのは大塚駅でした。記録のつもりでずっと撮っていたので、10 年間で 60 分テープ 500 本超えてしまいました。あそこもここも入れたい、という気持ちが強くて、2 時間にはとても収まらないですね。
Q.丁さんの印象をお聞かせください。
とにかく意思の強い “すごい人” です。約 8 年間家族と逢わずにいるのに、自分の人生すべて家族にかけて。そして 「 人生すてたものではない 」 って。丁さんを見ていると勇気がわきます。しかも不法滞在者の身となってしまったのに、納税もして、日本に対して感謝しているんですよね。自分はとてもではないけれどそこまでできないと思います。
今回の作品は、実は中国の放送では一番反響のあった作品です。中国での放送は 4 年ほどの取材での放送でした。さらに 6 年取材して、トータル 10 年の取材分が今回の放送となります。
Q.今回の放送をむかえての感想はいかがですか?
私が手がけた中国シリーズの中で、たまたま今回の作品は、丁さんが 「 不法滞在者 」 の身だったため、おわりがありませんでした。丁さんが帰国するまでは日本での放送は難しいと思っていましたので。
ドキュメンタリーはこれで卒業かな、って思っています。カメラを持って追いかけていくうちに、次第に生きている人を撮ることの辛さや難しさがわかるようになりました。皆さん私を信頼して心を開いてくれる …「本当にいいのかな?」 といつも思っていました。それと、はじめた頃は会社の一社員でしたが今は経営者となってしまったので、あらゆる“責任”があります。会社の経営者もドキュメンタリストもそういう“責任の強さ”という意味では同じかもしれません。人に感動を伝えたいという気持ちは変わりませんので、ドキュメンタリーではなく、違う形で表現できたらと思います。
今は何より横山さんに感謝しています。
【横山隆晴プロデューサーのコメント】
これまで、比較的、取材期間の長い番組制作を行ってきました。『 ゆっぴぃのばんそうこう 』 で 4 年。『 小さな留学生 』『 若者たち 』『 私の太陽 』 などで、それぞれ3年。『 ドキュメンタリー北の国から 』 で 1 年。『 中国からの贈りもの 』 で 7 年。『 桜の花の咲く頃に 』 で 1 年 4 ヵ月。などなど。
そして今回の番組は、取材期間 10 年!となりました。最長記録更新。水面下で続けていた並行取材です。番組内に出てくるたとえば阿寒町のシーンは、『 桜の花の咲く頃に 』 の取材で北海道に入っているときに行っていたもの。また、この番組のニューヨーク取材の一部は、『 ドキュメンタリー北の国から 』 の制作過程の中で、地井武男さんのお嬢様をニューヨークで取材した際、同時に行っていたものです。多少、頭が混乱気味になりますが、『 桜の花の咲く頃に 』 は 『 ドキュメンタリー北の国から 』 の派生関連番組ですし、番組制作には、そうした 「 連鎖 」 の不思議な導きと連続があるような気がしています。
『 泣きながら生きて 』 は、上海、東京、ニューヨーク … 3 ヵ所へ散っていった 3 人家族の “ 壮絶な 10 年間の三都物語 ” ですが、その行間と映像間には複数の複合的なテーマが込められています。どのテーマを感じ取ってもらえるかは、それぞれの視聴者の皆さんへ委ねながら、今回の目標は、 “ 月 9 ”。18 歳の旅立ち、別れ、再会 … 各シーンに滲む涙。ドキュメンタリー版、究極の “ ラブストーリー ” です。
そして、私たち制作スタッフが、制作する上で密かに交わしている合言葉は …「 全国から、自殺者を 10 人減らすこと 」。マジ? マジです。外国語で溢れかえる膨大な取材テープを前にして若干ツカレながら … 泣きたいほどに美しい、“ 10 年間の涙の記録 ” を贈ります。
『 小さな留学生 』 から始まった、これまでの中国シリーズの制作に関してと同様、今回放送の 『 泣きながら生きて 』 も、企画者でありディレクターの張麗玲 (ちょうれいれい) さんの卓越した才能と勇気、そしてハートの温かさがあって初めて実現した番組です。
今から 11 年前、番組制作についてプロではない若者が、「 日本と中国とを何としても近い国にしたい 」 という思い一つだけを持って、先行きどう展開していくのか全く判らない記録を、盟友の張煥 (ちょうかんき) さんと共に徒手空拳で撮り始めました。
その精神の気高さと取材内容の素晴らしさは、現在この日本に於いてドキュメンタリー制作を生業としている私たちテレビ関係者の中にあって、私の知る限り比類無いものであると明確に言うことができます。
その取材純度の高さは、ドキュメンタリー制作の常識を遥かに超えています。なぜ、『 泣きながら生きて 』 のような取材撮影ができるのか …。
天才クリエイター張麗玲さんそして張煥さんの二人に出会えたこと、この番組制作に出会えたことに、サポーターである私たち日本側スタッフは大きな感謝を感じながら、今回 『 泣きながら生きて 』 を全国の視聴者の皆様へ贈ることができるのを心からうれしく思います。
時代 (歴史認識) を超えていくこと … 国境を超えていくこと … たとえ、泣きながらでも …。
困難の中で、「 新しい時代 」 へ向かおうとしている総ての人々への、この番組からの贈りものです。
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張麗玲さんの会社、大富
http://www.cctvdf.com/j/information/information.php?informationid=221
すばらしいドキュメンタリーでした。最初は演技にしちゃ上手いな、リアリティがあるなーと思ってみていたが、やはり全編ドキュメンタリーで、本人を実際に10年間追った映像だったのです。
いわく
「人は弱いものだけど、人生はすてたものじゃない」
ぜひ観てください、お勧めします
2021年6月 ヒノマルソウル(長野冬季オリンピックジャンプ団体戦で前回の金メダリストがサポートにまわった)
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2017年7月 忍びの国
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2017年5月 低開発の記録、星の記憶
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2017年1月 海賊と呼ばれた男、出光石油の話
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2016年11月 湾生回家、台湾生まれの日本人
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2016年10月 君の名は、新海監督アニメ
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2016年9月 帰ってきたヒットラー
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/28ded9edf6c75f2f171890815fb04a02
2015年5月 図書館戦争
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/baec55689a0ccf6cfde4a09f27885a90
2014年10月 バンフーマウンテイン映画祭
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/4d31b48f444015fd1b5a678b11f9becf
2014年1月 永遠のゼロ
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/9c2acd1979c600a54f0d675a9b81eb05
2013年10月 終戦のエンペラー
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5c9121e9cb7a7ec7c8f25ef16bfbce9c
2011年8月 大鹿村騒動
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/f76c3c6fcbd8a294585b37602b08cbdd
2010年5月 第9地区
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/50871496bfbc37299c0c9bbdfe311cb7
2010年3月 アバター
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/f48f5b1b2870d1bbd1037b954f034824
2009年12月 泣きながら生きて
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/665f991435e822c9137dafa291d822ee
2009年6月 剣岳点の記
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/419cda4270609856d3b173b93afb3caf
2209年5月 天使と悪魔
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/88270d35b7c299565a8a6b9fd59a646f
2209年3月 おくりびと
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/c1a0455d293f62d41ba8560e7496cbf4