そして次の時代、ピザ中期。
パン生地ではなく、クリスピーなタイプが一気に広まっ
た時代だ。
イタリアンタイプが主役となる時代だ。
この辺りで、アメリカンタイプには別れを告げる、訳
ではなく、アメリカンタイプはアメリカンタイプで、
今度はデリバリーという形態で、同時に発展していく。
クリスピータイプは、一応「ローマピザ」ということ
らしいが、本当にローマがああいうタイプなのかは知
らない。
しかし、イタリアものが一気に浸透したのは間違いな
い。
当時、イタリアン(レストラン)が爆発的に増えたが、
その動きと連動してイタリアンタイプのピザも広まっ
た。
となると、ピザに使うトマトソースも、アメリカ式の
微妙な香辛料などは使わず、オレガノくらいでトマト
の味を生かしたトマトソースが主流となる。
チーズもモッツァレラがスタンダードとなる。
この頃になると「マルゲリータ」などという言葉もち
らちら聞くようになる。
まだ、モッツァレラが本来は水牛のチーズであるなど
という所までは行かないが、本格ピザにはモッツァレ
ラ、という図式は完成した。
生地は、それまでのパンタイプの反動という意味合い
もあったが、本格志向の人間も取りあえずクリスピー
タイプには飛びついた。
そして成熟期ともなる今の時代。
クリスピータイプは未だ健在。
アメリカ式も健在。
何が違うかというと、ナポリタイプがいよいよ登場し
たということだ。
クリスピータイプに飛びついた本格志向の人間も、ど
うもあれは感触だけで、今ひとつ旨味を感じないと思
い始めた。
そんなところにナポリピザの登場。
真に美味いのは、香ばしく焼けたもちっとしたこうい
う生地のピザである、と気付き始めてた。
第二の開国である。
更に進んで、モッツァレラは水牛に限る、などと言う
うるさい人間まで登場する。
時代はローマからナポリとなったのだ。
それがここ四五年の状況である(殆ど自分史のようで
はあるが)。
考えてみればイタリアでは、常にローマタイプとナポ
リタイプはあったわけで、どちらが本格派というもの
でもないはずだ。
しかし日本では、ナポリタイプが本格派という共通認
識ができつつある。
これは、日本の独自の麺文化がそうさせたのではない
かと思う。
つまり、麺の一種である生地そのものの味を追求する
という姿勢が、そのまま日本の麺文化ではないかとい
うことである。
世界でも、こういう風に拘る国もあまりないのではな
いだろうか。