信州.まつもと大歌舞伎が今月の12日から18日にかけて行われる。その関係者から聞いたところによると、今回の演目天日坊は相当面白いらしい。演劇好きや歌舞伎好きなどの普段からそういうものに親しんでいる人で無くても楽しめるということであった。クドカンの脚本が良いとも言っていた。「観に行けば」と言うので、「どうせチケット売り切れじゃないの」と言ったら、早速ネットで確かめた。すると、一等席だけが残り僅かであった。「いくら?」と聞くと「12000円」と言う。普段から演劇関係に親しんでない素人人間からすると、どうしても第一声は「高い!」である。そこで、関係者枠で二等席あたりをどうにかと言っておいたのだが、果たしてどうなることやら。
それにしても、歌舞伎っていうのは高いもんですねえ。いまだ嘗て一回も観たことないのだが、この値段ではそうそう気軽に行けるものではない(大向こう席はそれほどでもないのか)。いずれにしろ、この値段がネックとなり、一生歌舞伎に縁が無い人も相当多いだろうと想像される。というより殆んどは縁がないのでと思われる。それでいつしか趣味人の、本来は大衆芸能だったのが高尚な趣味と化し、それら支持者の高齢化に伴い全体のファン数も徐々に減らしてきたのが、今の歌舞伎界の状況なのではないだろうか。そんな状況を打開する今の時代の生きた歌舞伎の代表が、今回の天日坊であるのだが、高額チケットというネックが取り払われたわけではないところが辛いところだ。