ピカビア通信

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小説の主人公の名前

2018年04月02日 | Weblog


この前新聞に高橋和巳の小説「悲の器」が取り上げられていてそれを見たら、ふっと主人公の名前が浮かんできた。正木典膳。全く覚えてるとは思ってなかったので突然名前が出て来たのは自分でもびっくりした。小説自体が面白かったという覚えはある。実際その頃高橋和巳には興味があり、他の「邪宗門」「憂鬱なる党派」も面白く読んだが、そちらの主人公の名前は全く覚えてない。何故「悲の器」だけが。最初に読んだのがこれだったので鮮烈に記憶してるのだろうか。

ふっと浮かぶのではなく確実に記憶している小説の主人公の名前というのはいくつかある。大西巨人「神聖喜劇」の東堂太郎(漢字はウィキペディアで確認)、カフカ「城」のヨゼフK、プルースト「失われた時を求めて」のマルセル(プルーストと同じ名前)、トーマス・マン「魔の山」のハンス.カストルプなど。特に「魔の山」のハンス.カストルプなんて名前よく覚えてるものだと自分を褒めてあげたいくらいだ。どの小説も面白かったというのは共通しているが、他にも面白かったのはいくつもあるが主人公の名前は憶えていない。この辺の記憶のメカニズムはどうなってるのか。あともう一つ例外的なのがジョイス「ユリシーズ」のスティーヴン.ディーダラス。途中放棄の小説なのにこの名前だけは何故か憶えている。
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