『薫そうめん〈木挽町芝居茶屋事件帖〉』 篠綾子著 ハルキ文庫
シリーズ4作目。
本作では6月末日の夏越の祓にちなんで“夏越御膳”を、7月7日には七夕にちなんで“薫そうめん”と銘打った素麺を供していて、芝居茶屋かささぎでは年中行事や節句の日にちなんだ一日限りの献立を供するのがお決まりになりつつあるようです。
今回も事件解決のために偽の芝居興業を打つわけですが、喜八さんと弥助さんが役者を務めるのはお約束ながら、今回はなぁんとっ元町奴かささぎ組の一員で今は左官を生業としている鉄五郎さんも舞台に出ていて、登場した鉄五郎さん扮する商家の主を観た人の感想、
…羽織姿があまり似合っておらず、大工の恰好でもさせた方が似合いそうなごつい体の…
ですって
前作で狂言作者東儀左衛門先生の娘おあささんが思いついた“かささぎを繁盛させる案”というのも現実味を帯びて前進しそうですが、なぁんとこれに鬼勘さまがノリノリで一枚嚙みそうな雰囲気です。
この流れでいくと次の節句、重陽の節句あたりが次作の舞台となりそうですね