「はぁい、こんにちはぁ」
うん、相変わらずいい笑顔だね
画角や音量のチェックをしてレッスン開始。
そうだ、リナにも改めて説明しておこう。
「あのね、骨盤の構造ってさ単純にいうと前は腰骨と恥骨があって後ろは仙骨から尾骶骨、それを筋肉や靭帯がつないでて、楕円形のスープボウルみたいな形になってる。そのスープボウルのぎりぎりまで表面張力一杯一杯にお水がはいっていて、プリエするときもプリエからもどるときもそのお水を一滴もこぼさないようにってイメージするのよ」
「ほぉ…」
それをイメージしてプリエしてごらんなさい。
… … … … …
どお?
お腹まわり、体幹をしっかり支えてる感じがするでしょ
「プリエが強く真っ直ぐになる感じ…」
そうそう。
レッスンは進んでバットマン・フォンデュ。
ドゥヴァン→ア・ラ・スゴンド→デリエール→1番を通過してバットマン・クロシュでドゥヴァン‐プリエ→バットマン・クロシュでデリエール⇒デリエール→ア・ラ・スゴンド→ドゥヴァン→1番を通過してバットマン・クロシュでデリエール‐プリエ→バットマン・クロシュでドゥヴァン⇒…………
2セットね。
「あのね、バットマン・クロシュでドゥヴァン‐プリエのときに骨盤を掬い上げないように気を付けること。骨盤が傾いて後ろからお水が零れちゃうでしょ」
「おぉ、そうだ…そうだ」
プティ・バットマンやアン・レール、グラン・バットマンでバー・レッスン終了。
センター・レッスン
バットマン・タンジュのアンシェヌマンで、その終盤。
右にパ・ドゥ・ブーレ‐ピケ→左にパ・ドゥ・ブーレ‐ピケ→右にパ・ドゥ・ブーレ‐ピケ→左脚前5番ルルヴェ⇒…………
「わぁお、リナ、パ・ドゥ・ブーレのルティレの脚、きちんと軸脚のお膝のところに爪先が付いてる、いいねぇ、キレイだねぇ、忘れてないねぇ」
「こうだったよなって覚えてるみたいで、ちょっと意識してやってみた」
嬉しいなぁ
“移動せずのアダージョ”を今週はルルヴェで練習、ルルヴェが高くて強いね
それから先週やったエスメラルダのヴァリアシオンをアレンジしたシンプルなアンシェヌマンを練習。
そのあと、
上手奥で右脚アティチュード・ア・テール・クロワゼ→右脚パール・テール・アン・ドゥダーンしながら方向を変えて右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→左脚ピケで1番アラベスク→右脚前に引き付けてブーレで下がってもとの位置→右脚ルティレ・パッセ→右脚アティチュード・ア・テール・クロワゼ⇒…………
これもエスメラルダのヴァリアシオンの中のパをちょっとアレンジしました
順番は大丈夫ね、ではどうぞ
… … … … … … …
ん、悪くない。
ひとつだけ、ピケ‐アラベスクをするときにアラベスクの脚をもう少し強くバットマンしてごらんなさい。
そうすることでトルソーを軸脚の上にしっかり押し上げるの
「… … 」
はい、そうです、いいですよぉ。
んじゃぁさ、右側から2セットやって2セット目のブーレは真っ直ぐ後ろに下がってそのまま左脚のアティチュード・ア・テールに下りれば左側を続けられるでしょ
「ん、大丈夫」
はい、ではどうぞ
「上手に出来たらレッスン終わり」
「出た、いつものヤツ」
ホントに上手に出来たからポール・ドゥ・ブラをしてレッスン終了。
スマホの画面を通してリナの様子を見ているわけだけど、オンラインレッスンをスタートしてからずっと思っていることは、彼女は小さいころから教わってきて身につけたこと習得したことをほぼ忘れてないってこと、ちょっと感動
三つ子の魂百まで、スズメ百まで踊り忘れず、を毎週目の当たりにしてる気分