■ そうだ、聖地巡礼をしよう ■
自転車で自宅からヤビツ峠を目指しましたが、異常な高温で、意識モウロウ、心臓もバクバク。あえなく国道246を藤沢街道で左折して、急遽、江ノ島を目指します。本日はシラス丼でも食べて電車で帰ろう。
ところが、江ノ電を見た瞬間に予定変更。
「そうだ、聖地巡礼をしよう。」
■ 『海街diary』と『ラヴァーズ・キス』という表裏を為す名作 ■
私にとって鎌倉は吉田秋生の名作『海街diary』と『ラヴァーズ・キス』の舞台の街。
「海街diary」・・・本音をみつめる女性の視点
鎌倉を舞台にした4姉妹の物語『海街diary』は、今では多くのファンを魅了していますが、それに先立って発表された『ラヴァーズ・キス』は『海街』とは表裏を為す作品です。
『海街』の登場人物の多くが『ラヴァーズ・キス』にも登場します。鎌倉高校に通う6人の男女の恋愛模様を描く作品ですが、『海街』で次女が恋したサーファーの男子高校生の話しを主軸にして、ホモセクシャルやレズなどのマイノリティーとしての恋愛問題を抱えた高校生達の心の葛藤や交流を描いています。
『海街』でチョイ役の酒屋の長女がちょっとグレタ高校生だったりして、『海街』の前日譚的な作品なのですが、香田家の次女佳乃と深い仲になるサーファーの藤井朋章の話しだけが、同時進行となっており、少し時間がズレています。『ラヴァーズ・キス』については機会を見て紹介したいと思います。
さて、文庫版の表紙がこちら。
そして、今回、たまたま見つけたのが・・・
極楽寺の切り通しから、左に小さな道を入っていった先にあったのですが、何だか引き寄せられる様に、自転車のハンドルが勝手に左に切れた感じがしました・・・。これって、何か作品との間に運命的なものを感じます。
尤も、何回とも無く読んでいるので、頭の中にバーチャルな「海街地図」が出来上がっているのかも知れません。
■ 香田家4姉妹が住む極楽寺 ■
香田家4姉妹の住まいは極楽寺駅の近くとされています。それだけに、極楽寺周辺は「聖地」のパワースポット。
『ラヴァーズ』にも勿論登場します。
で実際はこんな感じ。
関東の駅百選に選ばれている、趣きのある駅です。
アングルが逆ですが・・・
そうそう、ホームには入場券を買って入りました。
駅員さんが鋏を入れてくれました。
極楽寺駅の上には「櫻橋」という、丹塗りの橋が架かっています。
この橋から鎌倉駅側を見ると、江ノ電唯一のトンネルが見えます。
この橋の近くにあるのが、「導地蔵」。
そして、その向い側にあるのが極楽寺。山門前ですずちゃんと風太が待ち合わせをした場所です。
極楽寺は弘法大師が開いたお寺だそうですが、境内の百日紅(さるすべり)が立派です。
櫻橋方向に戻って、駅とは逆側に坂を下ると、そこは「極楽寺切り通し」。
この坂は史跡に指定されています。
そして坂を下った所にあるのが、風太がお遣いを頼まれた「力餅家」
そして、力餅家の小路を入っていくと、江ノ電の踏み切りがあります。
文庫版の『ラヴァーズ・キス』の表紙の場所ですが、『海街』にも登場。
極楽寺駅周辺を散策していると、香田家4姉妹会えそうな気がしてきます。
■ 佐助稲荷は・・・昼でも怖い ■
そして、今回の聖地巡礼のハイライトは「佐助稲荷」。
銭洗弁天の近くにありますが、ここを訪れる人は少ない様です。
稲荷神社というのは、どこも神秘的な雰囲気を漂わせますが、昼でも暗い「佐助稲荷」は別格。パワースポットを通り越して、心霊スポット的な佇まい。
すずちゃんと3女が、次女の恋人を尾行して辿り付いた場所ですが、3女のチカちゃんが藤井君を狐の化身かと思うのも、分からなくも無い雰囲気。
■ 鎌倉のもう一つの魅力は海 ■
鎌倉と言えば海。
「稲村ガ崎」や「七里ガ浜」が作中に登場します。
本日は強風で、砂が吹き付けて、痛かったです。
■ お土産は稲村亭の焼豚 ■
さて、本日のオミヤゲは、江ノ電「稲村ガ崎駅」近くにある「肉の稲村亭」の焼豚。
炭火でじっくり焼き上げてあるので、ジューシーで香ばしい逸品。
実はこの店、仕事の知り合いのおじいちゃんの家だそうです。
従兄弟が継いでいるのだとか。
早速、夕飯を焼豚丼にしてみましたが、これは美味しい!!
本日は、軽い熱中症になりながらも、鎌倉聖地巡礼を堪能しました。
ちなみに、こんな素晴しいガイドブックが発売されています。
これさえあれば、聖地巡礼は完璧!!