
■ 見せかけの世界の裏側 ■
上の写真はAFP通信の物の様ですが、2009年にアサド大統領夫妻と食事を共にするケリー国務長官の写真です。
この写真は、ケリー氏が大統領特使として中東諸国を歴訪した時に一幕だと思いますので、決して「裏会談」の写真では無いとは思いますが、アメリカとシリアは表面上は対立している様に見せていますが、こういう一場面もあるという事なのでしょう。
外交とは硬軟織り交ぜたチャンネルでの対話が重要で、この当時のアメリカとシリアの関係かからすると、現在は随分と険悪な雰囲気になってしまったものです。
反政府勢力と言えば「レジスタンス」の様に正義の為に戦っている様に聞こえますが、実体は湾岸諸国やサウジアラビアがシリア政府転覆を目論んで送り込んだテロリスト達であり、シリア国民ですらありません。
さらに、反政府勢力(テロリスト)を欧米諸国が支援しているのですから、温厚なアサドと言えども、もはや、ケリー国務長官と和やかに食事をする事など出来ない状況です。
■ ビンラディンの父親とビジネスパートナーのパパ・ブッシュ ■
アルカイーダの故(?)ビン・ラディンの父親はサウジアラビアの富豪の一人です。一代で建設会社を興して大成功した人物ですが、パパ・ブッシュとはビジネス・パートナーの間柄。
アルカイーダを資金的に支えてきたのは、サウジアラビアです。
911の際には一緒にTVを見ていたとか、いないとか・・・。
911の直後、アメリカは航空機の飛行を一時的に禁止しましたが、アメリカに滞在していたラディン一家をチャーター機でサウジアラビアに出国されたと言われています。
この様に、中東情勢を始め、世界の政治の裏側は、マスコミが報じる「表向き」の見せかけとは大分違う姿をしている様です。
アメリカのシリア攻撃に対して中露が反対するという分かり易い構図の裏にも、何かモヤモヤしたものが有る様に感じられます。
■ 陰謀論の階層 ■
「陰謀論」と一言で言っても、実はその構造は多層的です。
1)表の世界・・・新聞やTVニュースが報じる「見せかけ」の世界
2)表の暗部・・・週刊誌などが得意とする、裏社会や、政治家の贈収賄など「噂の真相」
3)国家謀略・・・国家の利害の調整としての謀略の世界・・・いわゆる諜報やスパイ
4)国家間の共同謀議・・・
ここら辺になると、敵味方が判別し難く、又、一般人は知る事が出来ない世界。
例えば、冷戦中に米ソの高官が、ダボスやビルダーバーグで会っていたといった様な内様。
見せかけの「対立」の裏側の世界一般人でも注意してニュースを見ていれば、「違和感」としてうすうす、裏の関係性に気付きますが、確認出来ないので陰謀論」として、妄想の一種と分類されます。
5)所謂「イルミナティー」とか・・・
世界を裏から支配する謎の組織が存在するという妄想に近い世界。
「陰謀論」の世界で一番人気のある分野。ファンタジーとしての夢があります。
仮にこれが事実であっても、一般人には確認出来ないので、この世界に首を突っ込んでも無意味。
「陰謀論」は3)~5)の階層に付けられる「レッテル」ですが、「合理的に世界を経営する視点」に立てば、あながち否定出来るものでもありません。
「裏で皆が繋がっている事」が一番合理的だからです。
一方、その事実が明るみに出ると社会が維持出来ませんから、「陰謀論」は巧妙に隠蔽され、粉飾されて、「取るに足らない物」「愚か者の世迷言」というレッテル付けがされます。
■ 陰謀論の限界と効用 ■
一方で「世界が幸せにならないのは、イルナティーの陰謀のせいだ」といった様な、安易な思い込みも実に不毛です。そこからは何ら生産的な発想は生まれません。
私は「陰謀論」とは、世界の表面上の対立をあえて無視した中で、「世界を効率的に運営するにはどうしたら良いか」という合理性をひたすら追求する「思考ゲーム」だと考えています。
その「仮定」が仮に間違っていたとしても、導き出される未来が、確率の高いものであるならば、「陰謀論的思考」は決して無駄で無いと考えています。
世界が不思議に見えるのは、マスコミや常識に歪められたガラスを通して世界を見るからであって、意外と裏側から覗くと、合理的に世界は運営されているのかも知れません。