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ハーマン・カーン賞を受賞した安倍首相・・・「ハドソン研究所」

2013-09-29 10:59:00 | 時事/金融危機
 




■ 「ハドソン研究所」と「ハーマン・カーン賞」 ■

冒頭の画像で「何だ、今日もアニメか・・」と思ったあなた、ちょっと待ったー!!

冒頭の女性は「Zガンダム」以降に登場する「ハマーン・カーン」様。
ザビ家の再興の象徴とされるドズル中将の忘れ形見「ミネバ・ザビ」の後見人として、ジオンの実権を握る人物ですが・・・・今日の話題は、安倍伸三首相がアメリカの「ハドソン研究所」から送られた「ハーマン・カーン賞」。

「ハマーン」と「ハーマン」発音が違いますが、怪しい所は良く似ています。


「安倍首相がハーマン・カーン賞を受賞-外国人で初めて」(THE WALL STREET JOURNAL)

http://realtime.wsj.com/japan/2013/09/24/%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%8C%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%B3%E8%B3%9E%E3%82%92%E5%8F%97%E8%B3%9E%EF%BC%8D%E6%8E%88%E8%B3%9E%E5%BC%8F%E3%81%A7/


<全文引用>

安倍晋三首相は25日、米国の有力保守系シンクタンクであるハドソン研究所から、同研究所の創設者故ハーマン・カーン氏の名を冠した「ハーマン・カーン賞」を受賞する。同賞は、保守的な立場から国家安全保障に貢献した創造的でビジョンを持った指導者に毎年贈られているもので、米国人以外では初めての受賞となる。

Reuters安倍晋三首相
同賞はこれまで、ロナルド・レーガン元大統領、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官、ディック・チェイニー前副大統領など米国の保守派指導者が受賞してきた。授賞式は25日にニューヨークで行われ、同研究所によれば、安倍氏は日本の経済改革と日米関係の持続的な重要性に関する「重要演説」を行う。ハドソン研究所は「安倍氏は、日本が活力を取り戻すために必要な改革を前進させようとしている変革期のリーダーである」と称賛した。

カーン氏は、長年にわたり日本の保守派指導者と深い関係にあった。同氏は、1940年代に物理学者としてランド研究所に入所し、「水爆戦争論」で核戦略を論じた。その後は地政学の研究に転じた。

カーン氏は、早くも1962年に日本の台頭を予想したことで名を馳せた。70年には「超大国日本の挑戦」を著し、日本が経済的にも、技術力でも、金融面でも超大国になるのは「ほぼ間違いない」と予言するとともに、軍事的にも、政治的にもグローバルな影響力を保持するだろうと述べた。

ハドソン研究所では、11年12月に石原伸晃自民党幹事長(当時)が講演し、尖閣諸島(中国名:魚釣島)の早期国有化と自衛隊配備を提唱した。それに呼応して、同氏の父親で保守政治家として名高い石原慎太郎都知事(同)が12年4月に、同じく米国の著名保守系シンクタンクのヘリテージ財団で講演、都による尖閣諸島購入計画を明らかにした。同年秋に日本政府が、都による購入を阻止するために同諸島を国有化した。

安倍氏は、ナショナリスト的な傾向を隠そうとせず、日本の安全保障の強化を図っている。しかし、まず日本の主要な課題である経済・財政上の問題を解決しなければ安全保障の問題に取り組むことはできない。安倍氏のハドソン研究所での講演は、それにどう対処するつもりなのか、新たな手がかりを示す機会となろう。

記者:Mitsuru Obe

<引用終わり>
  赤字は人力による

■ 「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならそう呼んでもらいたい」 by 安倍伸三 ■

そして、「ハドソン研究所」での安倍首相の演説の内容がこちら。


「ハドソン研究所での首相演説要旨」 (産経ニュース) 2013.9.26 12:30

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130926/plc13092615490014-n1.htm

<全文引用>

 安全保障で問われているのは、脅威がボーダーレスとなったこの世界で、日本はきちんと役割を担うことができるかという問題だ。

 国連平和維持活動(PKO)の現場で、別の国の軍隊から助けを求められても日本の部隊は助けることができない。憲法の現行解釈では憲法違反になるからだ。日本近海の公海上で攻撃を受けた米艦を助けることができない。助けると集団的自衛権の行使となり、現行憲法解釈では違憲になってしまうからだ。

 こういった問題にいかに処すべきか、いま真剣に検討している。私の国は鎖の強度を左右する弱い一環であることなどできない。

 日本は国家安全保障会議(日本版NSC)を設立し、国家安全保障戦略を公にする。本年、わが政府は11年ぶりに防衛費を増額した。すぐそばの隣国は毎年10%以上の軍事支出の伸びを1989年以来20年以上続けているが、私の政府が増額したのはたった0・8%。もし皆さまが私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならそう呼んでもらいたい。

 日本は地域、世界の平和と安定に今までにも増してより積極的に貢献していく。私の愛する国を積極的平和主義の国にしようと決意している。(ニューヨーク 水内茂幸)

<引用終わり>


■ これを「マッチポンプ」と呼ぶ ■

日本国内での発言との温度差に唖然とします。
少なくとも国内での発言では、中韓を刺激しない様に言葉を選んでいますが、どうもアメリカのシンクタンクの演説では、「強硬姿勢」が好まれる様で、中韓を敢えて刺激するスピーチをしています。

これは石原慎太郎氏のヘリテージ財団でも演説(尖閣の戸有地化)も同様ですが、東アジア情勢の不安定化を引き起こす事で、日本の軍事力強化を図る方法です。その結果が防衛費の拡大や自衛隊増強による米国兵器の購入。

言うなれば「マッチポンプ」。
消防署の職員が新型消防車の購入を業者から依頼されて、現在のはしご車では届かない高さビルに火を付ける様な行為です。


■ 日本は独立国家では無い ■

ここで一つのジレンマが生じます。
「自主防衛が確率すれば、アメリカの影響力が排除出来る。」という主張です。

この意見はネトウヨの主張とシンクロして、旧来の「左翼的平和主義」に拮抗する勢力を形成しています。

アメリカが裏で糸を引く東アジアの緊張拡大と日本の軍事力増強が、対米従属からの開放に役立つというジレンマを日本人は抱え込んでいるのです。

尤も、日本の軍事的独立がアメリカからの真の独立になり得るのかと言えばそうでは無く、多分、TPPの延長線としての「環太平洋協力機構」の様な地域安全保障の枠組みの中に日本は取りこまれ、中国やロシアを中心にした「上海協力機構」と対峙する形で、新しい緊張の上の平和の形成に利用されてゆくのでしょう。

■ 地政学者であるハーマン・カーン ■

ハーマン・カーンは物理学者として原発開発に携わった後、地政学者に転向しています。

「核兵器の相互保有」は地政学的軍事バランスの確率に不可欠で、ハマーンの転向は当然の事と言えます。

そして、現在進行形で地政学の基本である「シーパワー」と「ランドパワー」の対立が、新たに作られ様としています。


「EU」「中ロ印」といったランドパワーと、そこから海を隔てた「環太平洋」という三極のパワーバランスが、今後の世界の基本を形成して行くのでしょう。

一種、「さんすくみ」とも言える状況ですが、東西対立のような2局化した世界よりも安定的である事は予想に難くありません。


日本の国内政治ばかり報道する日本のマスコミからは、この様な世界なダイナミックな変化は見えて来ません。インターネットの時代、私達は断片的な情報から「妄想」の翼を伸ばす自由を獲得しています。


どうぞ、皆さんも「妄想の翼」を思い切り広げて、自分の力で次代を掴み取ってゆこうではありませんか!!