■ 三橋貴明氏が手のひらを返した ■
消費税増税実施決定以降、安倍政権と距離を取り始めた三橋貴明氏。
構造改革特区の内様が明らかになった途端、完全に手の平を返し、安倍政権を批判しています。
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2013/10/29/020255.php
<一部引用>
お分かりだろう。現在の安倍政権が推進している「特区構想」は、アメリカからの「構造改革要求」に唯々諾々と従っているに過ぎないのだ。小泉政権期に不完全に終わった日本の「構造改革」を、安倍政権で完成させようとしているわけである。
<引用終わり>
■ 「決められる政治」を与えたのは国民 ■
多くの方が「日本は民主主義国家だから、国民の望まない政策は実現しない」という幻想を抱いています。ところが、民主主義国家であるはずの日本で、国民の望まぬTPPに参加がほぼ決定し、国民の望まぬ消費税増税の実施が決定され、国民の望まぬ規制緩和が行わようとしているのも事実です。
この事から国民が学ぶべきは、「日本において民主主義は機能していない」という事です。
1)自民・公明両党で議会の安定多数を占めている
2)自民・公明両党が賛成すればどんな法案でも可決する
3)小選挙区制では党の公約が得られなければ出馬も出来ないので党執行部の権力は絶大
4)各議員は票数でしか無く、政策は官邸や党執行部主体で決められる
5)党議拘束を破った投票をすれば離党を余儀なくされる
6)小選挙区制では同じ政党が一つの選挙区で複数当選出来ないので党内の対立構造が解消
この様に、小選挙区制の元で少数の政党に議席が集中すると、国民の意見を半ば無視した議会運営が可能になります。
これを防ぐには政党間の議席のバランスを上手く取って、単独過半数や、衆議院の2/3以上の議席を確保する政党やグループを作らない事です。
しかし、日本人は「アベノミクス」に踊らされて、自民党に大量の議席を確保させてしまいました。結果的に安倍政権は「決められる政権」として、アメリカの構造改革要望を諾々と実施に移しています。
■ 三橋氏の信者達は自分の首を絞めている ■
自民党が票数を伸ばした背景には、三橋貴明氏の影響は少なくありません。普段投票に行かない様な若い方達が、三橋氏に影響され、義憤に燃えて投票所に足を運び自民党に投票しました。
「三橋先生のおっしゃる通り、安倍氏は正しく、日本のデフレを終わらせてくれる。」そう信じたからです。
ところが、その教祖様自らが、「安倍政権はアメリカの言いなり」と言い出したのです。
少し政治に詳しい方ならば、自民党の清和会がアメリカの影響下にある事はご存じのハズです。マスコミも当然そんな事は知っています。その清和会のプリンスたる安倍晋三氏ですから、彼が構造改革を断行する事は想像に難くはありませんでした。
三橋氏も自民党と懇意にされているのですから、そんな事は百も承知かと思いますが、安倍政権の本質が明らかになるまでは、安倍政権を思い切り持ち上げ、そして、現在は保身の為に安倍政権の批判に転じておいます。
救われないのは、教祖様に騙された信者達で、「日本の将来の為」と自民党を支持した所で、梯子を外されてしまいました。
■ 耳障りの良い言葉を信用するな。努力を伴ない未来に期待するな ■
少し人生経験を積んだ方ならば、詐欺師が耳障りの良い事を言いながら近づいて来る事を知っています。また、子供でも、「努力を伴わない未来」に期待していけない事を知っています。
私などから見ると、ほとんど詐欺師の様に見える三橋氏ですが、若い方に限らず多くの方が騙されるのが不思議でなりません。
さすがに、今回の手のひら返しで、皆さん???と思い始めた様です。
尤も、騙される方が悪いのですが・・・。昔から詐欺師は善人のふりをして近付いて来ます。メリットだけを主張して、デメリットを説明しない人は信じてはいけないのです。
■ 世界の中の日本を考えた場合、規制緩和は不可欠 ■
私個人としては、規制緩和や構造改革は必要と考えています。
現在、若者が必死に守ろうとしているのは、実は彼らより上の世代の既得権です。雇用が流動化しても50歳以上の人にはあまり恩恵がありません。しかし、40代であれば、雇用の流動化は雇用機会を増やします。
確かに能力に応じて、所得が増えるとは限りませんが、少なくともリストラに怯えてイヤな仕事で人生を浪費するよりも、次の機会にチャレンジする方が前向きで健康的です。
社会全体としても、非効率な産業を維持する事にコストを費やすよりも、雇用の流動化で成長産業に人材が集まり易くする事はメリットがあります。
医療の外国人医師と看護師も特区内で実施が始まりますが、将来的には日本は医療と介護の「安い人材」が不足します。医療と介護職員は激務で時間も不規則ですから、今よりも賃金が低下したら人材を確保する事が難しくなります。
一方で、高齢化によって医療と介護の人手をどんどん不足してきます。海外の安い看護・医療スタッフの導入は、日本の医療制度と福祉を破綻させない為には不可欠になるはずです。
この様に、「今の雇用」を考えれば明らかに私達に不利益がありそうな規制緩和や構造改革ですが、将来的には日本は変わらざるを得ません。
日本がシンガポールや香港と比べて魅力的で無ければ、日本のグローバル企業は日本から本社をそれらの国に移転してしまいます。これでは、国内の雇用と税収が減ってしまいます。
世界が隔てられていた時代ならいざ知らず、これだけグローバル化が進んだ現代において、日本だけが世界とは別の道を歩む事は不可能だと言えます。
私は将来的には、安倍政権は評価されると思いますが、既得権が失われて行く間は、安倍氏は小泉元首相同様、国民の怨嗟の声を浴びるのだろうと思います。
50年後、100年後になれば、国家という概念自体が現在とは大きく異なっていると思われます。その時に日本が魅力的な国である為にも、私達は将来を見据えて変化していかなければならないのでしょう。
・・・あれ、そうすると、結果的に三橋氏も日本に貢献する事になるじゃないか。彼っともしかして国士?