人力でGO

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世界の国債の長期金利が上がってきた・・・リスクオン?

2013-11-27 08:31:00 | 時事/金融危機
 




■ 長期金利が上昇してきた ■

債務残高のシーリング問題の際、一旦は上昇した米長期国債金利ですが、危機が深刻化する中で何故か逆に金利がスーーと低下し始めました。

その後、危機が回避されたので米国債金利が低下していましたが、再び上昇に転じています。一方、短期国債金利は低下しています。

私のいい加減な解釈では、債務上限問題が佳境を迎えた時、短期国債金利は正直に米債券のリスクに反応していた様ですが、長期国債は何だか危機によってテーパリングが先延ばしされるであろう事に強く反応していた様にも見えました・・・。

長期金利はテーパリングの予測に連動しているかもしれません。

1)金融緩和の長期化が将来的なインフレをもたらす
2)テーパリングの開始によって将来的に金利が正常化する

1)は悲観的観測、2)は楽観的観測です。

市場は危機が明確な時以外は「楽観的」なので、現在の金利上昇はテーパリングの開始予測によって発生していると私は考えます。

バーナンキの任期切れを前に、もしかすると「テーパリングへのロードマップ」が具体的に発表されるかも知れないという思惑が、長期国債の売りを呼んでいるのかも知れません。

将来的に金利が正常化した場合、低金利の長期債は含み損を抱える恐れがあるので、今のうちに売っておこうという意識が働きます。実際には日々、大量の国債が売買されるので、そんなに長期的な展望では無く、「その様な理由があるから今が売り時」と判断しているのかも知れません。

当然、状況が変われば、買い戻されます。

(あるいは、デフォルトは有り得ないとして逆張りしていた投資家が多かっただけかも知れませんが・・・・。)

■ 株式市場に流れ込む資金 ■

NYダウの上昇など、株式市場が実体経済と乖離した動きを見せていますが、債権市場から一時的に流出した資金が流れ込んでいるのでしょう。

「リスクオフ」というよりは、テーパリングへの警戒感から国債が売られているだけの気がします。これで、12月にFRBが何の発表もしなければ再び長期金利は低下するかも知れません。

■ 常識と反対の国債金利 ■

日本の長期国債の金利が米国債との連動を強めています。
異次元緩和以来の混乱が、ひとまず収まってきて、売買の量が回復してきているのでしょう。

面白いのは、金融緩和の長期化が予測されると、本来、将来的インフレを予測して長期国際の金利が上昇するハズなのに、どうも日米とも逆の動きをしている様に思えます。

これは、「市場が金融緩和の効果を疑問視している」からでは無いでしょうか。特に日本においては、日銀の異次元緩和でも、期待インフレ率は一時的な上昇の後、直ぐに下がっています。(金利の低下)

先日記事にした、「先進国の金融雄緩和はむしろデフレを進行させるのでは?」という妄想を、もしかすると市場も抱いているのかも知れません。

■ テーパリングが遠のくと、株価は調整に入る? ■

株式市場がバブル状態かと言えば、日米共にイマイチ迫力に欠けるので、未だバブル化はしていないと思われます。

一方で、テーパリングの発表が遠のくと予測されれば、長期国債を中心に買い戻され、株価は一時的に調整に入るかも知れません。

債権市場と株式市場、そして現物市場を資金が循環しながら、巧みにバブルが防がれているのかも知れません。

こうして、資産市場で緩やかにインフレが進行し、それが住宅市場に波及して景気が本格的に回復するというのがFRBと米国政府の狙いなのでしょう。

■ 意外に冷静な市場 ■

市場は金融緩和が続く限り、バブル化を警戒しながら資金を上手に運用している様に思われます。

金融緩和の長期化で一番心配されるのがバブルの発生と崩壊ですから、FRBは今の所、緩和余地を残しながら、テーパリングを匂わせるだけで、市場を上手くコントロールしていると言えます。

ここら辺が、FRBと市場の信頼関係(或いは共謀関係)なのでしょう。


はたして、椅子取りゲームの音楽はいつまで成り続けるのか・・・。
誰かがコードをいきなり抜いちゃった・・・なんて事は起きないでしょうが・・・。




本日は、自分でもモヤモヤしている空想を文章化してみました。