昨夜、家の前まで帰って来たら、よく見かける黒ネコがじっと何かを窺っています。ネコ同士の喧嘩かなと思い近付くと、普段なら脱兎の如く逃げて行く黒猫が、2m程度離れた所から私の方を恨めしそうに見ています・・・。
変だなと思い足元を見ると、カエルが一匹。珍しいなと思いながら良く見ると、何とコウモリが道路の上に転がっています。
猫がコウモリを捕まえる事なんてあるのかな?と思いながら突いてみると、何と生きています。外傷も無いようです。
自然の摂理に任せて猫の餌食にするか迷いましたが、猫は野生動物では無いので自然の摂理の範疇外と考えて、保護する事に。ここら辺は、野鳥の会が定める「巣立ちヒナ」の保護の定義に従います。蛇は「自然」で、猫や犬や側溝は「非自然」。
身近なコウモリと言えども素手で触る事は危険です。どんなウィルスを持っているか分かりませんし、危機を感じれば噛みつく事もあります。そこで、買い物のビニール袋で捕獲。その際にギイギイと鳴き声を上げて抵抗しました。てっきり超音波攻撃を受けると思ったので(ギャオスじゃないんだから・・・)これは意外でした。
ハムスターを少し小さくして、耳を付けて羽を付けた様な姿をしています。毛並はモグラの様です。毛が生えそろっているので、幼獣だとしても巣立った後でしょう。
ネットで調べると、コウモリは野生生物なので、飼育は認められていませんが、保護飼育の場合は30日まで認められています。ただ、コウモリは生きた昆虫の餌しか食べないのでエサの点から飼育が難しい。ペットの爬虫類の餌になる甲虫の幼虫(ミルワーム)などを食べさせるそうですが、これが結構高い。
とりあえず、綿棒に水を湿らせて口元に持って行くと、ぺろぺろと舐めます。喉が渇いていた様です。捕まえた時は少し抵抗しましたが、その後は基本的にじっとして動きません。コウモリにとって猫の後に人間に捕まったので、相当なストレスを感じているはずです。
どうやらコウモリは水平な所からは飛び立てないようなので、段ボール箱の内部にキッチンペーパーを敷いて、垂直に立ててベランダに置いて置く事にしました。元気なら飛んで行くでよう。
翌朝、段ボール箱を確認すると、頭を下にしてじっと動きません。綿棒で水をあげると、眠いのかイヤそうなそぶりをして、尿を少ししました。その後は水もあまり飲まずにじっとしています。昼間は眠いのでしょう。
一応、体長を図ってみます。頭からシッポの先まで6cm程度です。
よく観察すると体表にはダニが沢山居ます。野生動物ですから当然です。
家内も昨晩は「早くベランダに出して!!」って言っていた割には、朝起きると同時にベランダに出てコウモリの様子を確認しています。「おはよう」なんて話しかけたりしています。
だいぶ衰弱している様なので、このまま飼育しても直ぐに死んでしまうでしょう。近くの行徳の野鳥病院に持ち込もうかとも思いましたが、コウモリは哺乳類なので・・・。
我が家で死ぬと祟りそうなので、昨晩保護した近くの樹木の幹に捕まらせておく事にします。体力が回復すれば飛んで行くでしょうし、衰弱が酷ければ直ぐに死んでしまうでしょう。
本来、昨晩、黒ネコに食われるか、マンションの住人に踏まれる運命だったので、無理に生かす必要はありません。これも自然の摂理。
1時間くらいして見にゆくと居なくなっていました。え!!飛んでった??
視線を落とすと、何と幹から落ちて下枝の上で伸びていました・・・。どうやら幹につかまっている体力も無いようです。
ちょっとかわいそうですが・・・・自然の成り行きに任せる事にします。
・・・・
そんなこんなで、コウモリを観察していると、近くからけたたましい蝉の鳴き声が聞こえ始めました。
シェーンシェンシェンシェン・・・・
これ、クマゼミの鳴き声です。鳴き声を頼りに探してみると、近くのアパートの壁にミンミンゼミより一回り大きな蝉が止っています。やはりクマゼミです。
本来、神奈川が北限の蝉ですが、温暖化の影響か、あるいは移植された樹木の根の周りに幼虫が付いていたのか、浦安で見たのは初めてです。
温暖化でクマゼミの生息北限は北上していますので、とうとう浦安も生息域に入って来たのかも知れません。尤も、都心の温暖化の主要因はビートアイランド現象です。
樹木の少ない埋め立て地の浦安ですが、生き物たちは環境に順応しながら生き抜いているよです。