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消費税率10%は実現するか?・・・目的は景気回阻止

2014-08-16 02:26:00 | 時事/金融危機
 

■ 政治はプロレス ■

<ロイターより一部引用>

安倍晋三首相は19日に放映されたNHKの番組で、消費税率を10%に引き上げるかどうかについて、判断を先送りするのではなく、今年中に決断したいと語った。

安倍首相は「4月に消費税率が8%に引き上げられるが、今の景気回復の流れを止めては元も子もない」と指摘。「経済成長ができなければ財政再建できない。7─9月の数字を吟味しながら総合的に判断していきたい」とした。

判断の時期を先送りする考えはあるかとの質問には「決断自体は今年中にしたい。その段階で来年10月から引き上げるか判断したい」と述べた。

<引用終わり>


消費税率を8%に引き上げる事を決定した時にも、安倍首相は同じ様な発言をしています。増税は国民の誰もが嫌うので、政権政党としては決定ギリギリになるまでは増税にあまり積極的な姿勢を示さないのは当然の事。だから、安倍首相の発言を額面通りに受け取る事は出来ません。

政治はプロレスですから安倍首相のこの発言を責める気は毛頭ありません。もしこの言葉を信じて「増税は無い」と思い込む人が居るならば、それは騙される方が悪いのです。8%への引き上げの経緯で学習出来ていません。

■ 消費税増税の真の目的 ■

問題は消費税増税によって可処分所得が減少するので、増税は必ず経済の減速を伴う事を財務省も理解しているのに増税を強行する理由です。


一つには黒田緩和が財政ファイナンスだと受け取られない為には増税によるプライマリーバランスの改善の「ポーズ」は国際的には大きな意味を持ちます。

もう一つ重要な点は、日本の財政赤字の規模は金利上昇に耐えられ無いので、金融緩和で景気刺激をする一方で、金利上昇をどうにかして防ぐ必要があります。

景気回復と金利抑制は相反するので、中国の様に上限金利を設定する以外に好景気下の金利上昇を抑制する手段は有りません。ただ、景気が過熱しない様に水を差す方法はいくらでも有り、増税も一つの手段に成り得ます。

■ 世界的な「金融抑圧」時代の到来 ■

「金融抑圧」という言葉が世界的に注目を集めていますが、中央銀行や財務省が金利上昇を抑制する政策を指します。本来は途上国で行われる金融政策ですが、世界的な財政赤字の拡大とマネタリーベースの拡大で、先進各国の中央銀行と財務省は抑圧的な金融政策を実行していると言われています。

リスクに対して正統な金利が得られないので、金融機関は低金利で過大なリスクを取る事になり、金利上昇局面で経済が破綻しますが、リーマンショック後の世界は、この様な「麻薬」によって危機を忘れている状況です。

多分10%への消費税増税は強行されると思いますが、その理由は税収を増やす事では無く、景気に水を差す事で金利を抑制しうる事にある様に思われます。

■ アメリカの金利正常化をサポートする消費税率10%への引き上げ ■

もし消費税10%で景気が減速すれば日銀の追加緩和も現実味を帯びて来ます。時同じくしてアメリカではFRBがゼロ金利解除を模索する時期に当たるので、日米の金利差によtっては追加緩和資金は一気にアメリカに流れ、アメリカの金利正常化を後ろから支える事になります。

中央銀行も財務省も世界で連携していますから、ドル防衛が優先されるならば日本の国内景気は犠牲になる事も有り得るでしょう。

同時にドルが不安定になる時期にはユーロ圏もストレスが増大します。前回はギリシャ危機が演出されましたが、今回はウクライナ危機が準備されています。