人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

初夏の房総を行く・・・クロモリバイクでのんびり?

2015-06-02 07:14:00 | 自転車/マラソン
 
 
■ 久し振りのクロモリ・ロード ■




最近、カーボンのレモン1号君とクロモリMTBばかり乗っていたので、久し振りにクロモリ・ロードのレモン2号君で出かけます。目指すは初夏の清澄山系。先週はMTBで麻綿原から清澄寺までのダートコースを楽しんだので、本日は養老清澄ラインを通って、初夏の小櫃川の眺めを堪能します。



小櫃川は房総半島の太平洋側に位置する清澄山系に源を発し、半島を横断して東京湾に注ぎ込む千葉県では比較的長い河川です。源流域の清澄山系は広大な東大の演習林によって自然が保全されており、カシなどの常緑照葉樹と杉の混成林が良く発達しています。太平洋からいきなり300m以上の山地が連なるので降水量も豊富で、幾筋もの沢が小さな谷を山肌に幾筋も刻み、そしてそれらが集まって小櫃川の流れになります。



清澄山の太平洋とは裏側、鴨川市と君津市の市境の近く、養老清澄ラインが小櫃川を渡る橋の周辺は「四方木 白岩渓谷」と呼ばれています。海底隆起地形の柔らかな岩を小櫃川が深く浸食して出来た谷は、白い岩肌と新緑や紅葉のコントラストが美しい景勝地となっています。



養老渓谷は「なんちゃって渓谷」なので、上流域に集落が沢山有り水も綺麗ではありませんが、白岩渓谷から状上流は民家も少ないので水は澄んでいます。流れもそこそこに速いのですが、良く見るとオタマジャクシが岩に必死で吸い付いています。カジカガエルのオタマジャクシでしょう。



養老清澄ラインは白岩渓谷から清澄山まで登りが続きます。斜度はそれ程キツク無いので初心者でもヒルクライム気分が味わえます。トンネルをいくつか潜ると勾配は下りに変わり、そこから太平洋までは標高差300mのダウンヒルです。



いつもなら60(km/h)などというスピードがメーターでチラチラと表示される下り坂ですが、本日はあまりに天気が良いので途中写真を撮りながらゆっくり下ります。稜線の上のポッカリ浮かぶ雲の下のチョコっと見えるのは、清澄寺の仏舎利です。







道幅が狭くなり、ヘアピンカーブが続く坂道の途中に「浪切不動」が有ります。ここには石造による「五大明王」が有ります。五大明王は江戸時代の密教信仰で各地で作られた様ですが、石造のものは珍しく、千葉県では唯一、浪切不動だけで確認されているそうです。



お不動様の横には「魚塚供養塔」が有ります。近年建立されたものの様で、愛らしい姿をしています。



崖の際に、お地蔵様が仲良く並んでいます。



実はこの周辺はヘアピンカーブが続き、道幅の狭くなっています。そこで、現在ループ登攀路の建設が進んでいます。交通量あそれ程有る訳では無い県道に「何故???」と思ってしまいますが、何年間も工事が続いています。

房総の山間に行くと、古い県道の改修拡張工事がそこかしこで進んでいます。岩盤が弱い房総の急斜面は大雨の度にどこかが崩れるので、崩落危険個所から徐々に道の改修が進んでいます。全線がそれなりに整備されるまでには、20年後とか30年後になりそうですが、その頃にこの道を利用する住民はほとんど居なくなっているのでは・・・そう考えると、壮大な無題遣いの様にも感じられます。

自転車乗りとしても、山間の気分を堪能出来る細いワインディングロードが整備されてしまうのは、ちょっと惜しい気がします。



この時期、南房総の海側の山並みは、スダジイやマテバジイ、タブなどの常緑広葉樹が一気に若い葉を成長させるので柔らかな緑色が広がります。杉などの針葉樹とのコントラストがパッチワークの様です。



300mの標高差をゆっくりと下って海に出ます。本日はコバルトブルーの海が広がっています。



鴨川の海水浴スポットの前原海岸ではイベントの真っ最中でした。フラダンスのグループが南国の雰囲気を盛り上げます。







屋台も沢山出ていますが、油断は禁物です。上空からはトビが狙っています。鴨川は本当にトビが沢山居ます。その分、カラスと猫がほとんど居ません。

鎌倉の海岸同様トビは急降下して観光客が手にするお弁当を狙って来ます。娘の友人は手にしたアイスクリームをトビに奪われたそうです。(トビはトビで、ウェェェー脚がベタベタになっちまったぜ!!と後悔したでしょうが・・・)



少し遅いランチは、海岸近くにあるオリーブという定食屋が最近のお気に入り。本日はガーリックチキン定食を注文します。皮ごと素揚げにしたニンニクがゴロゴロ入っていますが、ホクホクで匂いもしません。これ、一番お勧めかも知れません。

食事をしているとテーブルの隣でビールを煽っていたオヤジ二人組に話しかけられました。「自転車でどこから来たの?」から始まるいつもの会話ですが、どうやらこの二人、サーフィン歴40年という大ベテランの方々でした。朝6時に東京を出て、7時30分頃から波乗りして、今休憩中だそうです。本日は鴨川に泊られるとか。

「やはり鴨川の波は良いんですか?」と聞くと、「波はどこも変わらないよ。問題は人だよ。いい仲間が集まるから鴨川に来るの」とのお答えでした。定食屋オリーブはそういったサーファー達御用達のお店。戦後まもなく開かれたサーフィンの国内大会の会場は、ここ前原海岸でしたが、その優勝者は今でもこの店の常連だとか。

湘南と並び、日本のサーフィンの歴史に欠かす事の出来ない海が鴨川の海なのです。




お腹も一杯になった所で帰路に付きます。本日は出発が9時と遅かったので、浦安までは戻らずに内房まで戻ったら輪行します。

とりあえず長狭街道で保田方面に向かい、途中大山千枚田にでも寄ろうかと思いましたが、何故か無意識にハンドルは鹿野山方面に切っていました。多分走り足りないのでしょう。

途中、ランドナーの一団に出会いました。50人位はいらしたでしょうか。クロモリの細見のフレームにマッドカバーを付け、昔ながらの長いポンプを装備して、フロントキャリアーという仕様の旅用自転車ですが、中年以上の方がほとんどでした。皆さん、出で立ちもクラシカルなウェアーで「オシャレ」。高速ライドとは別の自転車の楽しみ方です。

鹿野山の秋元口に付いた時には130km走って脚も相当売り切れでしたが、ここからヒルクライム開始・・・と言ってもインナーローの一番軽いギアーでエッチら、コッチラとペダルをゆっくり回すだけ。それでも展望台下の最後の急斜面で脚付きしちゃいました・・・。頂上がそこに見えているのに・・・限界・・。

展望台で一休みした後は、福岡口へと下ります。ここは樹林帯の下を細いワインディングロードが続き、車の交通量も少ないので気持ちの良いコースです。道が荒れているので下りでスピードを出すのは危険なので、景色を楽しみながらゆっくりと下ります。緩斜面なので一般道まで結構な距離の下り坂が続きます。

一般道に出てからは車と並走しながら君津駅を目指します。市街地に入れば程なく駅に到着します。


ここで自転車を畳んで、本日のサイクリングは終了。

走行距離150Km、
走行時間 6時間20分
メーター読みのAVは24Km/h
獲得標高もほぼ2000mでした。

本日は、クロモリ自転車でのんびり走る房総半島をお送りしました。