異次元緩和の掲げた「デフレ脱却」「2%のインフレ率達成」は目的の様に見えて実は隠れ財政ファイナンスの為の口実に過ぎない。
従来の経済学では「金利低下=景気回復」であったが、市中金利はゼロより下がらないので、リフレ政策下でも、マイナス金利下でも「ゼロ金利の罠」は働いています。一方、グローバルな金融市場が在る限り、国内の資金は金利を求めて海外に流出し、さらに圧縮された金利によって国内の投資意欲は減退する。(投資のリスクに対してリターンが少なすぎる)
実はリフレ政策は「デフレ政策」であり、お金の価値が高まる事で長期的には円高要因ともなり得る。
一方、異次元緩和のもたらしたものは、国債発行コストの低減と、新発国債の8割を日銀が事実上引き受けるという「隠れ財政ファイナンス」。ただ、当座、年間80兆円の買い入れである程度財政バランスが取れるので、これ以上買い入れ枠を拡大する必要は無い。
一方で、「2年程度で実現する」とされていたインフレ目標の達成期間は、財政ファイナンスの永続性から考えると邪魔。
そこで、今回の日銀の「異次元緩和第二形態」は10年債までの金利をゼロにペッグし、さらに「実現不可能」な2%のインフレ目標の達成期間を事実上無くす事で、財政ファイナンスを安定して永続する事を目的としている。
異次元緩和の最大の敵は「バブルの発生」ですが、高齢者と国の間でお金がキャッチボールされる現在の日本では大規模なバブルは発生しない。一方、不動産などはプチバブルとなりやすいが、緊急時には「消費財増税」という緊急冷却装置が準備されている。
日銀と財務省はしたたかで賢い。しかし、結局は国内景気はグローバル経済に従属しており、今後、大規模な金融崩壊が起き、世界的に国債や通貨の信用が失われた場合、一番脆弱性を抱えているのは日本である事に代わりは無い。その場合は高率なインフレによって国家の借金は国民の資産と相殺される。歴史は繰り返す。
・・・なんて妄想して楽しんでます。
個人的には、「緩慢な死」よりは「派手な最期」の方が若い世代には良いのでは無いかと考えています。尤も、IMFが乗り込んで来て、一気に規制緩和が遂行され、弱肉強食の社会となるので、「能力とやる気」が無ければ「最悪」の社会となるのでしょうが・・・「座して死を待つ」事もあるまい。