■ IOCはオリンピック実行を支持しているのか？ ■
IOCが電話での臨時理事会を開きました。注目された東京オリンピックの中止や延期については、「開催に向けて準備する」と発表され日本政府は胸を撫でおろしています。一方で、どの様な状況になったら中止、或いは延期になるのか具体的な言及は無く、日本政府の判断に任せた格好です。
安倍政権は「IOCがオリンピックの開催を支持した」と国民に思わせたいでしょう。しかし、実際にはIOCは延期や中止に関しては日本政府に決断させたいだけ。
■ 仮に日本で感染が収束していても、世界では感染が続いている ■
新型コロナウイルスの感染は、イギリスの様な「集団免疫」作戦を遂行しない限り長期化します。オリンピックの開催決定次期は遅くとも５月中となりますが、「こっそり集団免疫作戦」を遂行の日本ですら感染は継続的に発生しているはず。日本より感染拡大が遅い地域では１か月から２か月遅れで感染ピークを迎えます。まさに５月頃かと。
■ WHOは「大規模なスポーツイベントの自粛」としか表現しないだろう ■
安倍政権としては自ら「オリンピックを延期させて下さい」とは言いたく無い。出来れば「IOCの判断によりオリンピックを延期した」と発表したい。IOC が中止・延期決定をしないのであれば、ＷＨＯに「オリンピックの開催延期勧告」を出してもらいたい。
しかし、ＷＨＯは「大規模なスポーツイベントの自粛」としか表現せず、そこから踏み込む事なないでしょう。
■ オリンピック中止・延期が政治的失点となるケースは決定がギリギリになる場合 ■
結局、東京都と安倍政権は自ら「オリンピックを延期します」と決定するしかない。これが政治的失点となるとするならば、決定がズルズルと先延ばしされた場合でしょう。
新型コロナウイルス自体は防ぎ様が無いので、これでオリンピックが延期されても政治的失点とはなりません。しかし、大会準備の手間とコストを考えると、延期決定が遅れれば遅れる程、コストが無駄に掛かります。
さらに「オリンピックはやっぱり開催できるのかも知れない」という国民の期待が高まった所での延期決定となると、国民の落胆も大きい。「何故もっと早く延期要請をＩＯＣにしなかったのか」と批判が高まる事は必至です。
■ ４月中旬までに延期決定しないと支持率が低下する ■
私は５月と言わず、４月中旬までにオリンピックの延期決定をするべきだと考えます。誰の目から見ても「オリンピック、無理じゃん」という状況まで引っ張って尚、「オリンピックは予定通り開催する様に全力の努力をし」などと安倍首相が発言していると、さすがに国民も「空気読めよ」とか「安倍首相はバイオテロリストだ！」などと非難し始めます。そして、追い込まれた結果「オリンピック開催を断腸の思いで延期します」なんて発表するのはカッコ悪い。
聖火リレーは３月２６日に福島をスタートする予定ですが、これは予定通りにやっておいた方が良いでしょう。「日本でオリンピックが始まった」という実績は必要です。ＩＯＣは「日本は暑すぎるから延期された大会はロンドンで行う」などと平気で言い出しそうな組織ですから。
■ 新国立競技場で無観客セレモニーをしたらどうか ■
安倍首相が一番カッコ良く、オリンピック延期を発表するにはどうしたら良いか、電通に代わって私がアイデアをお出ししましょう。
４月某日、無人の新国立競技場のグランドの中心に一人佇む安倍首相。スクリーンには聖火リウレーの様子が映し出されています。
カメラがロングから首相のアップに切り替わり、背景にはスクリーンが大写しになります。
「国民の皆さん、本日はここ、東京オリンピックスタジアムから重大な発表が有ります。（２秒間を置く）
本来、８月にはこの場所で、世界のアスリートが集い（つどい）、オリンピックが開かれるはずでした。（３秒間を置く。カメラは下から首相を煽り気味に）
しかし、昨年末に発生した新型コロナウイルスの感染は、未だに世界で続いています。家族を失った方、親しい友人を失った方も大勢いらっしゃいます。（2秒）
日本では、ウイルス対策の成果も上がり、感染は収束（しゅうそく）に向かっていますが、今、まさに、ウイルスと戦っている国々が沢山あります。 （２秒）
この状況で、オリンピックを開催（かいさい）する事は非常に難しいと私は判断しました。（ここで遠くを見つめる様な視線。カメラ首相の顔をクローズアップ）
予選も開催出来ていない競技もあります。（１秒）出場選手でも感染している方や、その家族が感染している方も居ると聞いています。 （２秒）これでは仮にオリンピックを開催したとしても、出場出来ない国や、出場出来ない選手が出てしまいます。これで、万全なオリンピックとは言い難い。（一瞬うつむき、思案する素振り（そぶり））
私達、日本人は、世界の国々のアスリートの皆さんに、最高のパフォーマンスを披露して頂くべく、この大会を準備して来ました。（２秒）小さな子供から、お年寄りまで、海外の方々を、「おもてなしの心」で迎える準備をして来ました。（グランドを見回す。カメラ首相の顔を正面にといらえつつターン）
今回、ここで、世界の皆さんにお会いする事は叶（かな）わなくなってしまいました。（５秒。うつむいて、目じりに涙・・・・）
しかし、必ずや来年、この場所で、世界の皆さんと集い、人類が新型ウイルスの脅威（きょうい）に打ち勝った事を喜び合うでしょう。（３秒）
それまで、私達日本人は、ウイルスと戦う世界の国々、人々を全力でサポートし、まさに、世界が「ワンチーム」となって（一指し指を立てる）ウイルスに勝利する手助けをしたいと、固く、決意いたしました。（目に力を込（こ）める）
来年、必ず、ウイルスに勝利して、東京で会いましょう。」
カメラがロングに変わり、無人の観客席をパンする。
画面が聖火リレーに切り替わり、ランナが速度を緩め、立ち止まる。人々が駆け寄る中、涙を手え拭いながらも、毅然とした表情で遠くを見つめる。（カメラ、目元にアップ）
こうして、「東京オリンピック」のイメージを全世界に刻み付ける事で、東京以外の開催をブロックします。そして、来年の聖火リレーは、リレーが途切れた場所から再開する。
これで政権支持率は１０％は跳ね上がる事間違い無！！