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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

10万人のダイアモンドプリンセス....東京で感染爆発が起きる理由

2020-03-26 18:43:00 | 新型コロナウイルス
 
■ 10万人規模のダイアモンドプリンセスの乗客が野放しになっていた日本 ■

東京の感染者が増えていますが、その原因が学校が休校になったので欧米諸国に旅行に行った人達が持ち込んだウィルスだと指摘されています。

厚生労働省の対策チームは国内のクラスターはほぼ掌握して感染者を把握していたと主張していますが、コレが事実なら、彼らが把握していない、経路不明の感染者の急増は、ここ2週間程の間にイタリアやアメリカやフランスに旅行に行った人達が感染源になっている可能性が非常に高い。

本来ならば「自主隔離」が必要な多くの感染予備軍が、普通に社会生活をしていた。コレは10万人規模のダイアモンドピリンセス号の乗客が野放しになっていたに等しく、ここで日本のウィルス対策は破綻したのかも知れません。

■ 中国人旅行者と、日本人渡航帰国者では社会との接触密度が違う ■

日本は中国からの渡航者を条件付きで受け入れていたので、水際対策はザルでした。しかし旅行者は日本人との濃密な接触の機会は少なく、結果的に二次感染を引き起こす確率も低かった。

一方で海外から帰国した日本人は、普通に会社に行き、家族の高齢者に旅行の土産話をして土産を手渡し、夜の街の飲み会に出かけたでしょう。

これらの人達がスプレッターとなって、現在の感染経路不明の感染者を生み出した可能性は高い。


■ 首都封鎖(ロックダウン)に備えよ ■

私は新型コロナウィルスの毒性は極めて低いと考えていますが、感染力はそんれなりに高いと考えています。

他人との接触をあまり好まず、清潔で潔癖な国民性によって微妙なバランスが保たれていた「緩やかな感染拡大」にここ2種間の間に重大な変化が生じたとするならば、日本でも多くの感染者が出る事に疑問は有りません。

時を同じしてオリンピックの延期が決まり、厚労省も検査の基準を緩めるので、症状の重い軽いを問わないのであれば、感染者数は急激に上昇します。元に、この二日間でのの東京も感染者数の増加は今までとは違う。

だから厚労省も東京都も慌て始めた。

■ ウィルスによる死者数は欧米に比べて低いが、経済がクラッシュする ■

感染が拡大しても重症者数や死者数は限定的だと私は予測します。既にハイリスクの方の多くが自主隔離的生活をされていますし、テレワークなども浸透している。

医療崩壊が起きるかが問題ですが、コレは高齢者施設や病院内での感染が拡大すれば避けられない。尤も、死亡者数は欧米に比べて一桁少ないと思いますが。

一方、首都封鎖や、全国規模の外出禁止令が出されれば、経済的なダメージは相当なもので、株価は16000円を一気に割り込んで、下手をすれば12000円台まで転がり落ちる。


やはり新型コロナウィルス自体はチンケなウィルスだが、過剰な対策が我々の生活を破壊するかも知れない。



ヤッパリ....ワザとやってるよね....。

週末の外出自粛要請・・・「花見はしないでね」

2020-03-26 07:16:00 | 新型コロナウイルス
 
■ 東京のロックダウンは有るのか ■

小池都知事が週末の不要の外出自粛や、在宅勤務の要請を発表しています。こおで感染爆発(オーバーシュート)を防げなければ、都市封鎖(ロックダウン)の可能性が高まるからです。

・・・・しかし、東京デオーバーシュートは起こらないでしょう。

何故なら、日本は中国に次いで感染が広がった国で、積極的なPCR検査をして来なかったので、隠れ感染者が既にウヨウヨ居るからです。私は既に感染ピークは過ぎていると思います。

ただ、東京オリンピックが延期になったので、東京都はPCR検査のハードルを下げるはずで、検査件数は全国的に増える。結果的に、感染者数が急激に増加した様に見えてしまいます。



3月15日


3月20日


3月25日


上の示すのは厚生労働省が発表している日本の感染とPCR検査の状況で毎日更新されています。


面白いのがPCR検査の件数です。

3月15日  107件  陽性 63件
3月20日 3943件  陽性 36件
3月25日  918件  陽性 65件

3月10日頃の厚生労働省のデータには検査人数は表示されていませんでしたが、「検査隠し」の疑惑が出たので3月15日のデータには検査人数も加えられています。

面白いのは検査数が急増した3月20日よりも、3月15日や昨日の方が陽性者が多い事です。

1) オリンピックの延期決定前は検査は陽性の疑いの高い人に限定
2) 3月20日の検査数が多いの原因は不明
3) 3月15日より9倍程度検査数の多い3月25日で陽性者はほぼ同じ


注目すべきは、オリンピック延期が決まって検査数が増えた昨日と、検査数を意図的に少なくしていたと思われる3月15日の陽性者の数がほぼ等しいという点。

1) 日本にウイルスが持ち込まれたのは春節の1月下旬から2月上旬
2) 外出禁止などの厳しい規制は行われず、満員電車など濃厚接触の機会が続いていた
3) PCR検査の件数を絞っていたので、軽症のか感染者は野放しだった

4) 武漢の1か月遅れで感染ピークを迎えるはずで、3月初旬がピーク
5) 東京では既に集団免疫の状況が確立しており、今のままの警戒でも感染者は減る

6) 但し、高齢者施設や病院などでクラスターが発生すると患者が一時的に増える




まあ、過度な心配は不要ですが、高齢者への感染拡大を確実に防ぐ為には、「首都のロックアウトも有り得る」という脅しによる引き締めは必要なのかも知れません。



「週末の外出の自粛要請 = 花見は止めてね」 


皆さん、程々にね。

医療崩壊とトリアージ・・・医療の発展がもたらした災厄

2020-03-26 05:33:00 | 新型コロナウイルス
 
■ 新型コロナウイルスは現代の死神 ■

ヨーロッパやアメリカでも感染爆発が起こり、イタリアやスペインなどは武漢と同様に医療崩壊を起こしています。アメリカもNY州などは、このまま感染が拡大すれば仲間入りです。

「イタリアでは1日に800人も死んでいるから、新型コロナウイルスは恐ろしいウイルスだ」と多くの人が考えます。


下の表はイタリアの年齢別の死者数と、死亡した方が基礎疾患を幾つ持っていたかを示すグラフです。(最新では在りませんが、傾向は凡そ掴めます)





1)死亡者の大半が60歳以上の高齢者
2)基礎疾患を3つ持っていた方が死者の50%を占める
3)基礎疾患を持たない人の死亡割合は非常に低い


このデータが何を意味するのか・・・・。御叱りを承知で書いてしまえば・・・「新型コロナウイルスで亡くなる人の多くが、現代の医療によって延命していた人だ」という事。

新型コロナウイルスは「死にかけ」の老人をあの世に送る現代の死神だったのです。

■ トリアージの基準を各国は示すべき ■

イタリアは欧州でも高齢化率の高い国です。結果的に高齢化が財政を圧迫するので医療費が削られる。その結果が今回の医療崩壊の原因と言われています。

さらに、南欧諸国は北欧諸国に比べて「他人との接触を好む文化」です。挨拶でホッペにチュッ!は当たり前。ハグは当然。さらに、高齢者が信心深いので、教会に集まりクラスターとなり易い。

何れにしてもイタリア国内では人工呼吸器が重症患者の数に対して圧倒的に足りず、重症化しても治療を受けられずに死亡するケースが増えています。これが死者数を押し上げる。

医療の許容範囲を超えた患者が発生する時に、医療の現場では「トリアージ」という考え方が導入されます。

例えば、重大事故現場で重症者が多数発生した場合、医師は生存確率の高い人から順に医療施設に搬送する様に順位付けします。実際には下の写真の様なタグを患者に付けます。(コードブルーで御馴染みですね。TV無いから観れないけど)

タグの下の色別の部分は手で千切れる様になっており、搬送しても助かる見込みの無い人は黒色を残して切り取ります。消防隊員などの救助スタッフは、このタグによって搬送の優先度も決定します。






新型コロナウイルスによる医療崩壊の際にも、現場ではトリアージが必用になるでしょう。治療しても回復の見込みの低い高齢者は優先度が低くなります。又、同じ年齢同士ならば、基礎疾患が少ない人が優先されます。

イタリアでは60歳以上の高齢者に気管挿管をしない病院が有るとの情報も流れていますが、これにネットは「酷い」とか「非人道的」とか「女、子供、老人を優先するのは当たり前」などとナンセンスなコメントが寄せられています。

60歳以上に挿管しないのは、明らかにトリアージが行われている為で、回復の見込みの有る若年者から優先的に治療が行われている事を意味します。

日本でもTVに出演した医療関係者が「60歳以上は治療しない」という発言をして避難を浴びている様ですが、これも医療崩壊が起きた場合のトリアージについて話したのでしょう。視聴者が理解出来なかっただけ。

各国政府は医療崩壊を前提に、医療機関にトリアージの基準の早期に示すべきです。国民に公表するかどうかは、国民の理解力によります。日本では無理でしょう。「高齢者を見殺しにするのか」とシルバー層が激怒しますから・・・。彼らはシルバーデモクラシーの支配者です。


■ 医療崩壊さえ起こさなければ致死率は0.4%以下 ■

イタリアの致死率は9.3%に上りますが、同じヨーロッパでもドイツの致死率は0.4%に過ぎません。

ドイツは症状を自覚した人の積極検査を進めているので、軽症の感染者も統計に含まれています。これに軽症や無症状の感染者を含めれば、最終的な致死率は0.1%程度になるかも知れません。これは季節性インフルエンザと大差在りません。

実際に多数の死者を出しているイタリアですが、採取的な死者数を比較した場合、季節性インフルエンザの10倍以内に収まり、その殆どが高齢者です。


■ 問題は高齢者施設と病院 ■

日本でも多くの高齢者が戦々恐々としていますが、街を元気で歩き回る様なご老人は、死亡率はそれ程高く無いでしょう。彼らは、自宅に「自主隔離」していれば安全です。買い物はなるべく午前中の空いた時間帯にするか、宅配サービスを利用すれば良い。イギリスではボランティアが高齢者の自宅に必需品や食料品を届ける試みが始まっています。

問題は高齢者施設や病院での感染拡大で、高齢者施設は、職員が感染してウイルスを持ち込むリスクは避けらません。医療機関はもっと厄介で、感染者が自らやって来ます。

介護職員や医療スタッフは万全の注意を払っていると思いますが、エアロゾル感染をするウイルスの感染を完全に防ぐ事は出来ません。