5人の作家がそれぞれ短編を自由に書いた。それを樋口さんが1本長編に編集して送る出口弥生出産記念公演。こういう企画を考え、軽やかなフットワークで実現させる。そこがPlant Mの凄さ。自分のところで劇場(カフェだが)を持ち、そこを自由にいつでも使えるから、無謀とも言える公演をいとも簡単に実現出来る。臨月の出口さんが小さな体に大きなおなかを抱えて、舞台に立つ。この調子でいくと、出産後の復帰も早そうだ . . . 本文を読む
こんな映画を夏休みに見た。とても人気の高いコミックの映画化らしい。でも、僕はまるで読んでないし、もしあるのならだが、TVアニメも見ていない。じゃぁ、なんで見たのか、と言われると、TOHOの1カ月フリーパスがあったからだ、としか言いようがない。この夏そのせいで普通なら見ないタイプの映画をたくさん楽しませてもらった。これはそんな映画の中の1本なのだ。
見たとき、かなり笑えたし、おもしろかった。こ . . . 本文を読む
これは凄過ぎて震える。ここまでの「とんでも」小説はなかなかない経験だった。森身氏をはじめて読んだ時の衝撃を凌ぐ。ということは万城目の鹿男なんて目じゃない。というか、これを小説に分類してよいものやら、よくわからない。自伝的小説なのか? 『母 オモニ』という自伝的小説を書いているから、今回のこれもそのラインから書かれたものなのか?
ふざけて書いたものではない。だが、本気であればあるほど、この真面 . . . 本文を読む
久しぶりに「純文学」を読んだ。重くて暗い。読んでいて疲れる。へこんでしまう。大体タイトルからして、そうだ。でも、我慢して読む。たまにはこういう小説も読まなくては。人間楽ばかりしていたらダメになる。
刑務官が主人公だ。彼が死刑囚(山井)と向き合う。2人の夫婦を殺した20歳。山井は控訴しない。なぜか? 死ぬことが怖くないのか?そんなはずはない。ではなぜ?
主人公は施設で育った。この仕事に就 . . . 本文を読む
こんなにもさりげない会話劇を芝居にして見せようとする横山拓也さんの挑戦(これは十分挑発的で、挑戦的な試みだ)を目撃できたよかった。別に力瘤を入れたわけではない。でも、このあまりに日常の一風景でしかない内容に驚く。
どこかの喫茶店でのOLの会話を盗み聞きしてそれをそのまま台本にしたのではないか、と思えるくらいに生々しい。しかも、それ以上の何かはない。「えっ、それだけですか?」 と言いたくなるほ . . . 本文を読む
アンデルセンの有名な童話を基にして楽市のテイストで再構成した作品。笑いあり、歌ありでとても楽しい1時間半だった。3年振りで楽市の芝居を見た。萌ちゃんが大きくなっていて驚く。育ち盛りだから当然のことなのだが、なんだかうれしい。彼女はキリコさんと対等に芝居をしている。しかも、まるで遜色ない。
家族3人で、旅周りをして野外劇を日本中のあらゆるところで上演する。そんな嘘のような夢のようなことを楽市楽 . . . 本文を読む
西原理恵子さんの漫画の映画化。これで一体何作目になるのだろうか。同じ話を際限なく映画化している。でも、ついつい見てしまう。見るとなんだか元気がもらえる。今回も、またか、と思いながらも、でも、ちょっと、と思い、ついつい見てしまった。いずれも彼女の自伝的ドラマだから、演じる役者は違えども、話は同じだ。どの時間をどう切り取るかでバリエーションはできるけど、基本線は変わらない。映画はそれぞれ演出家、主役 . . . 本文を読む
万城目のエッセイ集を初めて読んだ。小説と同じでなんだかふざけているし、なんかつまらなそうだから、今まで避けてきたのだが、暇で読む本がないから、仕方なく読み始めたら、結構おもしろい。だから、ついつい2冊連続で読んでしまった。まぁ、さすがに2冊読むと、飽きたけど。
彼の小説はわりと好き。というか、かなり好き。でも、同類の森見氏と較べると、ちょっと劣る。別に比較しても意味はないし、僕の趣味の問題で . . . 本文を読む
こんなタイプの文芸映画は、今の日本ではもう作られない。70年代くらいで絶滅した種類の映画なのだ。もちろん60年代くらいまでは盛んに作られてきた。だが、今、誰もこういう映画を見ない。どうしてこんな企画が浮上してきたのか、不思議でならない。しかも監督はまだ若い熊切和嘉だ。『鬼畜大宴会』の、とはもう言わないけど、それでもこの手のジャンルには違和感がある。『ノン子36歳(家事手伝い)』なんていう映画を作 . . . 本文を読む
クリント・イーストウッド監督、主演のアカデミー賞受賞作品のリメイクである。李相日監督は単なる再映画化ではなく、原作へのリスペクト以上に、あの作品への自分なりの挑戦としてこれと取り組んだ。オリジナルにインスパイアされ、そこから自身でオリジナル脚本を作る。明治維新期の北海道を舞台にして、かつて人斬り十兵衛と呼ばれ官軍からも恐れられた男(渡辺謙)が、再び刀を抜く。
時代が変わり、妻と出逢い、もう刀 . . . 本文を読む