湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ミヨー:弦楽四重奏曲第2番

2006年12月20日 | フランス
○パリッシー四重奏団(naive)CD

全集の一枚。これは少し客観的というかおとなしい感じもするが技術的には高い。よく構造を分析した演奏という感じで、まだ生硬な部分のあるミヨーの書法をきちんと読み解いて、三連符のモチーフが表や裏に出ては隠れしながら統一感を保っているとか、基本はロシア国民楽派の弦楽四重奏曲を意識しながらもそこに皮肉をさしはさむように無調的フレーズや複調的構造を織り込んでいる部分が明確に聞こえる。ミヨーにはやや構造が重過ぎて旋律線がわかりづらかったり速筆のせいか勢いで押し通さないと首尾一貫して聞こえないなどといった楽曲も散見されるが、この曲は全弦楽四重奏曲の中でも一番わかりやすいだけに、却ってマニアックな書法の出現が唐突で違和感を感じさせるところもある。だからこうやって整理されてくるといくぶん均されて聞きやすさが増す感もある。4楽章では牧歌的ないわゆる「ミヨーのプロヴァンス民謡」が少しあからさまに出てくるが、こういった部分ではもう少し感情的な温もりが欲しかった。小粒だがしっかりした技術に裏付けられた演奏。○。

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