作曲家指揮ORTF(SLS)1948/5/20初演live
デゾルミエールによる革命記念日コンサートの全記録の前半に収録されているもの。デゾルミエールライヴ特有の極めて悪い録音の板起こしで、冒頭が完全に欠落しているのが惜しい。ミヨーでは一番を除き一般に最もアピールするであろう革命歌と大衆歌がふんだんに盛り込まれた交響曲であり、旋律がよくわかるから、ミヨーにしては大人しく整理された曲構造さえ掴めば二楽章以外は楽しめる。オケの腕により猥雑さを取得することなく、自作自演のERATO録音に近似した感もあるが、時代の勢いというか、この日の熱気が多少音に影響しているのだろう、迫真味もある(悪録音ライヴでよくある「熱気感」にすぎないかもしれない)。この曲以外の古今珍曲を振っているデゾはアルクイユ派と呼ばれたサティ晩年の使徒で前衛への理解が深く、ナチ傀儡政権下で果敢に現代音楽やフランス民謡を録音し続けたほど気骨ある人だった。ただ惜しむらくは指揮技術は綺羅星の如くフランスの巨匠にくらべ、ただスコアの再現技術に職人性を発揮できただけで、良い音の録音も少く名声も無なのは、仕方ないことかもしれない。拍手カット。こういう形態の「辛うじて残った放送エアチェック」は久しぶりに聴く。