ミュンシュ指揮ORTF(KING,NHK)1966/10/20東京live・CD
晩年のORTFライヴ、しかも東京文化会館でのライヴをNHKが記録したものである。死の2年前で演奏スタイルはやや落ち着いてきた頃だ。リズムをしっかりとって前に流れていかないのはいいがテンポまで落ちてくることで、かつてのミュンシュにない繊細な配慮が行き届く部分と(それでも二楽章はつまらない)、木槌で叩きつけるような音で弛緩せず前を向いた突進感を維持している部分がある。その少しの違和感が実際演奏の軋みとなって耳に届いてしまう(補正なしライヴ録音だから瑕疵があるのは当たり前だが)。というわけで解釈はERATOのラムルー管弦楽団との正規名演と変わらないが、ライヴ的な感興は版元の煽りほどには強くはなく、終演後ブラヴォなしの盛大な拍手という冷静感が出てしまう格好でしめられる。そもアンゲルブレシュトのORTFだからフランスオケといっても機能性と色彩の冷たさがあるため、熱狂はしない。ルーセルを知らない向きはあるいは度肝を抜かれるのかも。ミュンシュとしては標準、晩年としては熱が入っている(三楽章の掛け声はいつもの箇所)、といったところだ。同曲ならWEITBLICKのライヴが録音もクリア。これもステレオではある
ドビュッシー : 交響詩「海」 | フォーレ : ペレアスとメリザンド | ルーセル : 交響曲第3番 / シャルル... | |
シャルル・ミュンシュ,フランス国立放送管弦楽団,ドビュッシー,ブルックナー,ルーセル |
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ミュンシュの「海」にはもう疲れました。ライヴで一番出来の良いのはどれなんでしょうか。一人の演奏家のライヴを集めていくと、無限に同じ曲が集まってしまって、特にアンコール曲は大変です。