湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆リムスキー・コルサコフ:交響曲第2番「アンタール」

2017年12月06日 | リムスキー・コルサコフ
○コッポラ指揮パリ音楽院管弦楽団(gramophone)1933/3/15・SP

リムスキーがこの曲を一気に書きあげたとき、ボロディンは2番シンフォニーやイーゴリ公に取り掛かっており、ムソルグスキーは結婚を書きかけていたと記している。まさにクーチカが偉大な作品を生み出しつつあった中でリムスキーはむしろ後塵を拝したような形であったようにも見える。当時聴いた「ローエングリン」への挑戦的な態度を示しつつ、実はワグナーのほうが先をいっていたのだ、と述懐しているが、前衛と言えるような和声上の冒険、オリエンタリズムをふんだんに盛り込んだアンタール(初期において交響曲とされたが後年自身で内容から交響組曲として編んだ)について自身でほとんど触れていないのは、霊感の差を感じてのことかもしれない。確かにシェヘラザードや禿山の編曲を彷彿とさせる煌びやかな管弦楽法が駆使されてはいるものの、交響曲としても叙事詩としても構成感に欠け冗長であり、まとめるさいには演奏者による積極的解釈が求められる。現在もあまり演奏されない。

同演奏は(しかしながら)世紀初頭までパリにてもてはやされた同曲の最初期の録音になる。煌びやかな響きと古めかしい奏法が魅力的に聞こえるが、コッポラの颯爽として緩まない棒によって素っ気無いほどにまっすぐ進められていく。このコッポラのやり方は同曲に限ったものではなくある程度収録時間制約を前提とした録音媒体ありきの表現であった可能性は高いが、この曲のようなちょっとだらだらとしたものには向いているかもしれない。なにぶん編成を絞って無理にラッパに吹き込んだものなので曲の内包する開放的で派手な魅力はほとんど伝わらないし、下手とも聞こえてしまうところがあるが、いくぶんの想像力をもってホール残響を脳内添加して聴くと違って聞こえるかもしれない。○。

こちらより1楽章を聴くことができます
http://www.youtube.com/watch?v=kVnTovOWXas

※2010/12/7の記事です

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