湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:ピアノ三重奏曲

2014年02月14日 | ラヴェル
○ケントナー(P)メニューイン(Vn)カサド(Vc)(EMI)1960/7/12・CD

メニューヒンの腕こそ怪しいところはあるものの(音も細くて固い印象)、情緒たっぷりに揺らし緩急をつけていくさまは、そういう演奏が好きな人にアピールするものだろう。1楽章はラヴェルの本来とるべきやり方からは外れているかもしれないが情緒的に訴えかける力が強く印象的な演奏になっている。2楽章冒頭いきなりメニューインが技術的苦境に立たされている。しかし音はこちらのほうが柔らかくいいようにも思う。テンポもややゆっくりめ。ちょっとバラバラなアンサンブルに聴こえてしまうところもある。3楽章はもっと毅然としっかりした演奏を聞かせてほしいと思った・・・やはり音が心もとない。しかしポルタメントをまじえ絶頂を迎えるメニューインには前時代的な感傷がつきまといそれはそれでいい。4楽章はもっと花が開くような煌びやかな出だしが欲しかったがここでもメニューインの腕の限界・・・?ケントナーは終始安定しているがメニューインとカサドはどうも余り迫力がない。響きの美しさは独特の表現を見せる部分も含めて弱音部で感じられる。終わり近くの再現部?前の盛り上がりでかなり情緒的な伸縮が1楽章以来またもみられ、これは好き好きか。私はけっこう感動的に思った。弦のトリルとアルペジオに彩られピアノが法悦的な響きを放つ部分は、肉感的で、ちょっと技術的問題があったとしても許せる。ラストはかなり盛り上がる。

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