昨年の11月に、植え替えした薔薇たち。
手間隙愛情をかけて世話をすると、けなげに薔薇は応えてくれた。
大輪の花をたくさん咲かせて、人の目を楽しませ、心を癒してくれる。
それなのに、この薔薇たちの名前を忘れてしまった。
名前、人間が勝手につけたものだけれど、大切なもの。
薔薇を作った人の思いを、その名に託しているから。
本当に、ごめんなさい。
忘れてしまったお詫びに、きちんと世話をしよう。
青虫や尺取虫、アブラムシが悪さをしていないか、毎日見張ろう。
そして、毎日話しかけ、褒めてあげよう。
星の王子様が、あの薔薇の世話をしたように、毎日、心を込めて。
目には見えないけれど、種族も違うけれど、ましてや、言葉も通じないけれど、きっと通じ合える何かがあるような気がする。
時には、無生物の機械にだって、気持ちが通じる気がするから、花ならばなおのこと。
言葉が分からなくても、遠く離れていても、この不思議な『通じる気持ち』があるのならば、どうか善き力として、この地球、いや、宇宙全体を満たせないだろうか。
争いやわだかまりのない、清浄な世界に導けるものとして。