諦めの日々

畑から野菜を採ってきては、調理して食べる。
地元の食材をもらって食べる。
我が家の田んぼで作った米を食べる。
畑に囲まれて暮らす。
乾いた畑の表土の微粒子が、舞い上がる土地で暮らす。
木々に囲まれて暮らす。
買ってくる食材を、食べる。
あの日以来、毎日少しずつ、諦めては暮らしている。
子供たちに、またその子供たちに、申し訳ない思いを抱いて暮らしている。
どうにもできない無力感が、常に付きまとう。
時には、生命の持つ強かさに、不測的で楽観的な希望を、勝手に持ってみたり。
どこに逃げようというのか。
清浄な土地は、どこにあるというのか。
それでもましな、まだ薄いかもしれないところに暮らしているのに。
たぶん。
すでに、化学物質と放射性物質が、撒き散らされてしまった世界に生まれ落ちた者だもの。
だるま落としの二番目から、微妙にずれが生じているのだ。
生命は進化する。
二番目から上にあわせて、その設計図を書き換えるかもしれない。
それがいつになるかは、分からない。
その前に、滅びのときが来るかもしれない。
でもいまは、ただ諦めるしかない日々を送る。
ちりちりと、胸を痛めながら。
２５年前に、既に諦めの種は芽吹いていたけれども。