rock_et_nothing

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物憂げな女達、モディリアーニ

2013-02-14 22:46:38 | アート

Marie fille du peuple

20世紀初頭の新しい芸術が花開いた時代、モディリアーニは薫陶を受け絵に命をつぎ込んだ。

彼の描く女達は、どこか儚く物憂げで、男達の理想とするエロスの化身のようだ。
それは、ヨーロッパが世界第一次大戦に突入するきな臭い時代、刹那的な生への衝動がそうさせたのか。

モディリアーニは、形の余分な線を排除して単純化し、流れるようなフォルムを作り出す。
それで、儚く脆い命と、人の情念の移ろいを画面に添えることができた。

日本にも、モディリアーニと時を同じくして生を受けた画家、竹久夢二がいる。
彼の描く女達も、細い姿態をくねらせて物憂げな表情をし、モディリアーニと実に似通った雰囲気だ。
時代の大きな流れが、彼らの感性を刺激し、同じような波長を受信してそうさせたのだろうか。

モディリアーニの女達の視線の先になにがあるのか。
希望とか絶望でもない、淡々とした生の営みが映し出されて、流れているような気がするのだ。




Portrait of Jeanne Hebuterne


Reclining Nude with Loose Hair


竹久夢二 黒船屋